【02】
華麗なバロック様式の教会
城壁を撤去して整備された環状道路リンクシュトラーセの周辺にはいくつもの庭園や公園があります。そのひとつが旧市街外側の南に位置するカールスプラッツ(カール広場)で、広場の周囲にはオットー ヴァーグナー設計のカールスプラッツ駅、ウィーンフィルの本拠地 楽友協会、さらにウィーン市歴史博物館やウィーン工科大学といった主要な施設が並んでいますが、歴史的に最も重要な存在といえばカール教会でしょう。
楕円形ドームを持つ左右対称の華麗な教会は、シェーンブルン宮殿などを手掛けたバロック建築の名手フィッシャー フォン エルラッハによる設計で、建設中に彼が死去した後は息子のヨーゼフが引き継ぎ、1737年に完成しました。バロック様式教会の名作として高い評価を受けています。
【03】
教会建設の背景
シュテファン大聖堂の地下の墓所(カタコンベ)には、ペストで亡くなった人々の遺骨がギッシリと積み重なっていて、これを見ると当時いかに大変な状況だったかが窺い知れます。もっとも、衛生状態が悪い上に城壁に囲まれた閉鎖的な環境では、疫病が流行るのも当然なのですが。
【04】
記念柱
その最たる作品がファサードに建っている2本の柱。柱の存在自体はローマにある「 トラヤヌスの記念柱」からの引用で、オリジナルの表面にはローマが行った戦争を叙事詩的に描いたレリーフが彫られているのに対して、カール教会の記念柱には、前述のカール ボロメウスがペストを鎮める物語が彫られています。
名称 | カール教会(カールス教会とも) Karlskirche |
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設計者 | フィッシャー フォン エルラッハ J.B. Fischer von Erlach |
所在地 | オーストリア、ウィーン1区 |
用途 | 教会 |
建立 | 1737年 |
構造 | 石造 |
交通 | 鉄道:地下鉄U1・2・4号線 Karlsplatz駅下車 |
備考 | 世界遺産(ウィーン歴史地区として) |
左からゼツェッション館、カールスプラッツ駅、カール教会
参考文献
- 『建築巡礼13 ウィーンの都市と建築 様式の回廊を辿る』川向正人、丸善
- 『世界の建築・街並ガイド5』25頁、エクスナレッジ
リンク
- Karlskirche 公式サイト
- カールス教会 ウィキペディア
- デジカメで綴る旅の想ひ出写真館 > 海外の風景 > ヨーロッパ > オーストリアとロマンチック街道 > ウィーン > カールス教会
公開日:2003年1月26日、最終更新日:2012年4月22日、撮影時期:2002年1月
カメラ:Nikon COOLPIX 775(Photoshopで修正)