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シュピッテラウ焼却場 ( 1/2 )
Fernheizwerk Spittelau
ウィーン、F. フンデルトヴァッサー + P. ペリカン、1992年
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メルヘンチックな建物の正体は

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まるでテーマパークのパビリオンを思わせる派手で奇抜な建物はウィーンのゴミ焼却施設です。ダイオキシンの発生量を抑えた焼却設備や、排熱を地域暖房に利用するなど、中身はとても機能的な施設に造られています。
 
この外観をデザインしたのはフンデルトヴァッサーという芸術家。彼がデザインしたウィーンの公営住宅が好評を得て以来、建築デザインの仕事も手掛けるようになりました。
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壁面はキャンバス

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壁面は、そこをキャンバスに見立てたかのように絵というか模様が描かれています。本物の窓に混じって、窓をイメージしたものやアメーバ状の色とりどりの模様が壁面に散らばっています。
 
用途上、相応の規模がある施設に不釣り合いな外観を施しているため、スケール感覚が掴みにくく、おもちゃのお城をそのまま拡大したような妙な印象を受けます。
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不規則なデザイン

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市松模様はフンデルトヴァッサーの建築によく見られます。大小が入り交じったバラバラの模様で、そこに規則性を見出すことはまったくできません。
 
建築デザインのセオリーでは模様や目地、開口部の位置はピシッと合わせるものですが、この建物にそのような配慮は皆無。その自由気ままさが建築の素人である芸術家らしいところです。
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エントランスの列柱

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巨大な金色の球体が輝く煙突は強烈なインパクトがあります。しかも各コーナーの上部にも球体の装飾が付いていて、もう至る所ゴールデンボールだらけ。「キン○マ」という隠語を持つ日本人にはどうしても苦笑を禁じ得ないデザインですね。
 
煙突の球体に窓らしきものが見えますがこれはフェイク。
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実は暗い作風

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写真06はゴミ処理部門のオフィスと思われるビル。血がしたたり落ちているような、ちょっとギョッとするデザインです。焼却施設の建屋やウィーン市内の他の2件(フンデルトヴァッサー ハウスとクンストハウス ウィーン)がメルヘン調の明るいデザインとはずいぶん雰囲気が異なりますが、実はこのダークなイメージこそフンデルトヴァッサーの絵の作風に近い感じがします。
名称

シュピッテラウ焼却場

Fernheizwerk Spittelau

設計者(外観デザイン)

フリーデンシュライヒ フンデルトヴァッサー + ペーター ペリカン

Friedensreich Hundertwasser + Peter Pelikan

所在地

ウィーン9区

用途

ゴミ焼却施設

竣工

1992年

構造・規模

未確認

交通

鉄道:Franz-Josefs駅下車すぐ


公開日:2002年10月5日、最終更新日:2011年6月11日、撮影時期:2002年1月
カメラ:Nikon COOLPIX 775(Photoshopで修正)

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