【02】
門司港レトロの一翼を担う可動橋
橋は船の通行が無くても1日に6回開閉しており、橋桁が動く様子は観光客の注目を集めます。その意味では可動橋自体も観光の一翼を担っているというわけです。
【03】
ユニークな跳開式可動橋
可動橋のいくつかの形式の中でブルーウィングもじは跳開式に分類されます。これは下の連続写真のように橋桁が跳ね上がる形式で、要するに可動橋と聞いて誰もがまず思い浮かべるであろう「跳ね橋」のこと。
一般的な跳開式は橋桁が中央で分かれる左右対称形ですが、ブルーウィングもじは短長の異なる長さに分かれる左右非対称形である点がユニークです。「門司港レトロ」の観光イメージに沿うならゴッホの「アルルの跳ね橋」のようなデザインにすれば無難なのに、あえて定番のイメージを外したのは、単なる懐古趣味には陥りたくないという設計者の意志でしょう。
ちなみに可動橋の背後の建物は門司港ホテル。イタリアの建築家アルド ロッシの遺作です。
【04】
船が通過してこその可動橋
「門司港レトロ」は、門司港駅をはじめとする近代建築群だけでなく、可動橋やホテル、展望台を兼ねた超高層マンション
註1 などの新しい施設も織り交ぜながら発展してきました。観光地としては成功しているといえるでしょう。
しかし、このままでは門司港はテーマパークで終わってしまいます。やはり、港町としての奥行きが欲しい。具体的にいうと、第一船溜まりは明治時代に築造されて船運に使われましたが、現在ここを利用する船は遊覧船くらいしかありません。船が通過してこその可動橋であって、遊覧船以外の船が航行しない港で可動橋が律儀に動くのはちょっと寂しい気がします。
私が ロンドンで訪れた船溜まりには多数のヨットやクルーザーが停泊していました。このような光景を門司港でも見たいものです。
私が ロンドンで訪れた船溜まりには多数のヨットやクルーザーが停泊していました。このような光景を門司港でも見たいものです。
公開日:2004年8月31日、最終更新日:2011年6月25日、撮影時期:2004年7月・2008年5月
カメラ:Panasonic LUMIX DMC-FX1 + Nikon D50(Photoshopで修正)