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久留米市の木造市場 ( 1/3 )
Wooden Markets in Kurume City


久留米市の概要

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Googleマップのキャプチャに付記

福岡県の久留米市は、同県から佐賀県に広がる筑後平野に位置する人口約30万人の都市で、県南部の中心都市として古くから発展してきました。タイヤメーカーのブリヂストンや、ゴム靴メーカーのアサヒコーポレーションとムーンスター(旧・月星化成)の創業地であることからゴム化学工業が主要な産業で、近年は自動車産業も成長しています。また、明治時代に旧日本軍の駐屯地が設置されて以来、軍都としての性格も有しており、現在も陸上自衛隊幹部候補生学校が置かれています。一方、建築界では、建築家 菊竹清訓氏の出身地として久留米の名前はよく知られています。もともと菊竹家は久留米の資産家でした。
 
このような歴史から市内には近代建築や菊竹氏が設計した建築が点在し、それらを紹介するのが「建築マップ」のような建築系サイトに期待される役割だと思いますが、既に他のサイトや書籍が取り上げていることもあり、今回はもう少しユニークな建築を紹介したいと思います。木造市場です。
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あけぼの商店街

木造市場について

ここで取り上げる木造市場とは、商店街の通路を覆うアーケードが木造であるものをいいます  註1。商店街のアーケードの構造は、耐火性などを理由に鉄骨造が一般的ですが、戦前から戦後初期は木造でも建設されていて、その頃の建築が一部の地域に意外と現存しています。筆者はこれまでに福岡県の福岡市や北九州市などの木造市場の紹介記事を当サイトで発表してきました  註2。本稿は一連の木造市場シリーズの久留米市編にあたります。
 
地図

Googleマップのキャプチャに付記。 ライン青:鉄骨造アーケード、 ライン赤:木造アーケード

木造市場の位置関係

久留米市にはJR九州の鹿児島本線と西日本鉄道の天神大牟田線というふたつの路線が通っていて、両社の久留米駅の間に中心市街地が形成されています。上図は、中心市街地の中で商店街が集中する地区を切り取ったもの。青のラインは鉄骨造アーケードが、赤のラインは木造アーケードが架かっている部分を示しています。筆者が確認した木造アーケードは西から文化街北通り、あけぼの商店街、日吉市場、銀座商店街の4ヶ所。地図から、日吉市場以外の3ヶ所は、商店街のメインストリートに対して横丁的な位置関係にあることが分かります。なお、記事名の「木造市場」における市場とはここでは商店街の意味で使っていますが、4ヶ所のうち、文化街北通りの南側と日吉市場は実際は飲み屋街です。
 
文化街について付け加えると、基本的にここは歓楽街で、その中に商店街があると捉えた方が的確でしょう。一方、六ツ門商店街・一番街商店街側にもスナックや小料理屋といった飲食店は点在しています。文化街以外での飲み屋街としては、六ツ門商店街近くにある「新世界」が特筆すべき場所で、アーケードは架かっていませんが併せて紹介しておきます。それぞれの詳細は次のページで

建物名

久留米市の木造市場

Wooden Markets in Kurume City

設計者

不詳

所在地

福岡県久留米市

用途

市場(店舗)

竣工

各アーケードとも戦後初期から高度成長期にかけての建設と思われるが、確証はない。

構造

木造

交通

JR久留米駅または西鉄久留米駅下車 徒歩十数分

備考

見学するときは、お店やお客さんに迷惑をかけないよう配慮をお願いします。特に、撮影時のトラブルには十分お気を付けください。


公開日:2014年4月12日、最終更新日:2014年4月12日、撮影時期:2013年12月・2014年1月
カメラ:Canon PowerShot S90(Photoshopで修正)

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