市街地に取り残された木造市場
福岡市の商業の中心である天神から渡辺通を南に下ったところ、オフィスビルやマンションが建ち並ぶ一画に周囲からやや浮いた印象を受ける建物があります。一見しただけではちょっと古い商業建築としか思えません。しかし、中に入ってみるとアーケード街になっていて魅力的な飲み屋が並んでいることに驚くでしょう。
この三角市場は知る人ぞ知るちょっとした穴場スポットで、市場というからには昔は生鮮食料品などを売るお店が集まっていたと思われますが、現在はほとんど飲食店街になっています。もともとは別の場所にあってそこが三角形の土地だったことからこの名前が付き、昭和25年に現在の場所に移転してからも名前は変わらずに続いているとのことです。
【02】
【03】
【04】
昭和の時代にタイムスリップ
さらに通路を覆う屋根が木造である点も珍しい。アーケードを木造で造ることは防火上のハードルが高くて難しいため、戦前から戦後初期までは木造で造られた例があったものの、それ以後の商店街のアーケードはほとんど鉄骨造になりました。木造アーケードの現存例としても貴重な建物です。
【05】
【06】
【07】
建物名 | 三角市場 Sankaku Market |
---|---|
設計者 | 不詳 |
所在地 | 福岡県福岡市中央区渡辺通2 |
用途 | 店舗(飲食店街) |
竣工 | 1950(昭和25)年頃と思われる |
構造 | 木造 |
交通 | 鉄道:西鉄大牟田線 薬院駅下車、地下鉄七隈線 薬院駅下車、いずれの駅からも徒歩2~3分 |
備考 | 見学するときはお店の方やお客さんに迷惑をかけないよう配慮をお願いします。特に、撮影時のトラブルには十分お気を付けください。 |