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志免炭鉱 ( 5/10 ) 斜坑口
Shime Coal Mine
福岡県糟屋郡志免町 他
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【501】
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【502】

第八坑連卸坑口
住所:福岡県糟屋郡志免町大字志免495-3(以下同じ)
 

竪坑と斜坑の比較

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池島炭鉱(長崎県)の斜坑口

斜坑とは文字通り地上と地下坑道を斜めに結ぶもので、坑口は必然的に地面から斜めに突き出た形になります。竪坑は地下まで最短距離で結びますが輸送手段であるケージには数台のトロッコしか搭載できません。
 
これに対して斜坑は距離が長くなってしまうものの、トロッコ列車やベルトコンベアを使って大量輸送ができるという利点があります。
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【503】

鉱滓レンガ造の坑口

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写真501〜503は竪坑櫓の近くにある第八坑連卸(つれおろし)坑口です。完成は1938(昭和13)年。鉱滓レンガ造。閉山後は坑口を閉塞しなければならず、多くはコンクリートで塞いでいますが、この坑口では古レールを格子状に並べて閉じています。
 
ちなみに鉱滓(こうさい)とは金属の精錬過程で発生する不純物のこと。スラグとも呼ばれ、建材としてよく再利用されています。福岡県には八幡製鉄所があるためか、鉱滓レンガ造の古い建物や塀などをよく目にします。

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【504】

第五坑西側坑口

近年に発掘された坑口

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第八坑連卸坑口は昔から地上に露出していて存在が知られていました。これ以外に、2008(平成20)年に周辺の整備工事をしているとき別の坑口が発見されています。志免炭鉱の事務所は戦後間もなく焼失してしまい戦前の記録はあまり残っていませんが、戦後の炭鉱関係者の記憶にないことからこの坑口は旧海軍時代のものと思われます。写真504は発掘作業中の様子。現在、坑口の周囲はフェンスで囲まれています。

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【505】

第五坑南側坑口

詳細不明の謎の坑口

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さらに、これは斜坑とは言い難いのですが、敷地南側の道路沿いにも坑口が頂部だけ露出した状態で残っています。いちおう第五坑南側坑口という名前が付けられていますが、ここが何に使われていたのか詳細は分かっていません。
 
目の前の道路は貨物支線(後述)の廃線跡なのですが、この坑口から石炭を運び出していたとするには線路との位置関係が不自然など、いろいろ謎が多い遺構です。


スライドショー4 斜坑口など(7枚)
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