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旦過市場の歴史
旦過(たんが)市場はJR小倉駅から歩いて十数分のところにある市場です。神嶽川(かんたけがわ)と道路に囲まれた三角状の狭い土地に生鮮食料品店や飲食店など200軒以上の店舗が集まっています。大正時代に神嶽川の荷揚げ場から始まり自然発生的に店が集まって発展しました。北九州市は昔ながらの市場(商店街)が多い街ですが、中でも旦過市場は「北九州の台所」と呼ばれ、街を代表する市場とされています。
旦過市場を訪れてまず目を引くのが川の上に設けられた建物。どこか東南アジア的な雰囲気が漂う水上建築です。現行法規では建設が難しい(不可能ではない)このような構造物の存在自体が、旦過市場の古さを物語っています。
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トタン屋根の連なり
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日本初のスーパー
また、市場の北側入口にある丸和小倉店は日本でスーパーマーケットを開業した最初期のお店のひとつとして有名です。客が商品をカゴに入れてレジに持っていくセルフサービス方式を1956(昭和31)年に導入、さらに1979(昭和54)年には日本初となるスーパーの24時間営業を開始しています。ただし、現在の建物は前述の火災で焼失した後の再建です。
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内部空間
北側市場から入るとアーケード空間が延びています。これが市場を南北に縦貫するいわばメインストリートで、小倉駅と旦過市場の間にある魚町銀天街という商店街から連続しています。小倉駅前にこれほどの商店街が存続しているのは、市街地の店舗が郊外の大規模ショッピングセンターに客を奪われる傾向が強い中ではかなりの健闘といえるでしょう。
しかし、このアーケードが旦過市場の全てではありません。アーケードの途中にある横道(右の写真)を入った先には、さらにディープな世界が広がっているのです。