【02】
平戸の歴史の象徴
長崎県北西部に浮かぶ平戸島は、1550(天文19)年のポルトガル船入港に伴い宣教師フランシスコ ザビエルが訪れた地です。海外との交易やキリスト教の布教が行われた平戸は、当時の日本における海外文化の先進地でした。
キリスト教が禁止された江戸時代、平戸には多くの隠れキリシタンが潜伏しており、禁教が解けた明治時代以降、島内各地に教会が建設されました。平戸教会は同島の初期教会建築としては後期の昭和6年に竣工した教会で、平戸大橋を渡ってすぐ広がる市街地の高台にあります。
平戸教会は島の観光名所でもあり、とりわけ寺院の屋根の背後に教会の尖塔が見える様子は平戸の歴史を象徴する景観として知られています。
【03】
RC造のゴシック風教会
教会のデザインは、小尖塔の林立による垂直性の強調や入口の尖塔アーチからゴシック様式を意識したものだと見て取れます。率直に言って、建築様式を正しく理解しているとは言い難いデザインではあるものの、これは設計者がコンクリートの造形性の高さにチャレンジした結果だと私は思います。
【04】
内部空間
建物名 | 平戸教会(別名:聖フランシスコ・ザビエル記念教会) Hirado Church |
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設計者 | 末広設計事務所 Suehiro Architects |
所在地 | 長崎県平戸市鏡川町259-1 |
用途 | 教会(宗派はカトリック) |
竣工 | 1931(昭和6)年 |
構造・規模 | 構造:鉄筋コンクリート造 |
交通 | 車:平戸大橋 > 国道383号線、駐車場あり バス:西肥バス 平戸市役所前バス停下車 |
備考 | ここは信仰の場です。見学の際は教会や信者の方々の迷惑とならないよう十分な配慮をお願いします。筆者の訪問時は内部の見学・撮影は可能でしたが、その後に状況が変わっている可能性があります。現地で注意事項を確認の上、その指示に従ってください。 |
リンク
- 聖フランシスコ・ザビエル記念教会 ウィキペディア
- 長崎県東京事務所 > 大いなる遺産ながさきの教会 > 平戸教会
- 平戸観光協会 達人Navi平戸 > 平戸キリシタン紀行 > 平戸ザビエル記念聖堂
- 長崎の教会 > 平戸・北松地区 平戸ザビエル記念教会
- あじこじ九州 > 長崎県 > 聖フランシスコ・ザビエル記念教会
- 旅する長崎学 > 教会巡礼のマナー
- NHK映像マップ みちしる 新日本風土記アーカイブス > 長崎県平戸市 南蛮貿易の香り
参考文献
- 『九州・沖縄を歩こう! 建築グルメマップ2[九州・沖縄編]』345頁、エクスナレッジ
- 『三沢博昭写真集 大いなる遺産 長崎の教会』(三沢博昭、発行 智書房、発売 青雲社)
公開日:2011年2月5日、最終更新日:2011年2月5日、撮影時期:2005年9月
カメラ:Nikon D50(Photoshopで修正)