積込施設、貯炭場、選炭工場および発電所
【22】
池島港
池島港はもともと「鏡ヶ池」という池だったところで、これが池島の名の由来とされています。炭鉱進出に伴い石炭積み出し港を整備する必要があるため、この池を浚渫して一部を海に切り開き、営業出炭を開始する前年の1958(昭和33)年に池島港は竣工しました。港内はおおむね南側が炭鉱施設、北側が一般の船の桟橋や船溜まりに分かれ、港の周囲には集合住宅が建ち並んでいます。池島に上陸してまず目にするのがこのような光景です。
今は閉山しているので石炭運搬船の姿はありません。港内に停泊している小舟は漁船ではなく釣り船のようです。
【23】
積込施設と貯炭場
岸壁にあるクレーンのようなものは、石炭を運搬船に積み込む機械でトリンマーといいます。積み込み能力は毎時450トン。
岸壁から一段高い部分が貯炭場、つまり出荷前の石炭を積んでおく場所です。約10万トンの石炭を貯めることができます。炭鉱の現役時代はここに黒い石炭の山が築かれていました。
【24】
ジブローダー
国内では池島にしか残っていない貴重なものですが、2012(平成24)年の台風でやや傾いてしまったようです(写真は2008年に撮影)。
【25】
選炭工場
採掘したばかりの石炭(原炭という)には岩石が入り交じっており、そのままでは使えません。この原炭から岩石を取り除く工程を選炭といい、そのための施設が選炭工場です。原炭を水に浸け、岩石より比重が軽い石炭を浮かせる方法で選り分けていました。
外壁に錆が出ている矩形の構造物は、石炭を一時貯蔵する貯炭槽(ホッパー)という施設です。筆者は北部九州各地の炭鉱遺構を見て回りましたが、他の炭鉱の貯炭槽は鉄筋コンクリート造が多く、鉄骨造の現存例は珍しいと思います。下の方に見える円形構造物は選炭後の排水を浄化するシックナーという施設です。
【26】
発電所
なお、もともと電力は海底ケーブルで送電されているので、この発電所がなくても支障はありません。
Get the flash player here: http://www.adobe.com/flashplayer
スライドショー 20枚(写真をクリックすると次を表示、下辺にマウスカーソルを合わせるとサムネイルを表示します)