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池島炭鉱 施設編 2/6 )
Ikeshima Coal Mine ( facilities )
長崎市池島町
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【21】

積込施設、貯炭場、選炭工場および発電所

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【22】

池島港

池島港はもともと「鏡ヶ池」という池だったところで、これが池島の名の由来とされています。炭鉱進出に伴い石炭積み出し港を整備する必要があるため、この池を浚渫して一部を海に切り開き、営業出炭を開始する前年の1958(昭和33)年に池島港は竣工しました。港内はおおむね南側が炭鉱施設、北側が一般の船の桟橋や船溜まりに分かれ、港の周囲には集合住宅が建ち並んでいます。池島に上陸してまず目にするのがこのような光景です。
 
今は閉山しているので石炭運搬船の姿はありません。港内に停泊している小舟は漁船ではなく釣り船のようです。

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【23】

積込施設と貯炭場

岸壁にあるクレーンのようなものは、石炭を運搬船に積み込む機械でトリンマーといいます。積み込み能力は毎時450トン。
 
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岸壁から一段高い部分が貯炭場、つまり出荷前の石炭を積んでおく場所です。約10万トンの石炭を貯めることができます。炭鉱の現役時代はここに黒い石炭の山が築かれていました。
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【24】

ジブローダー

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貯炭場の奥に鎮座する恐竜のような機械はジブローダーといいます。選炭工場からベルトコンベヤで貯炭場に運ばれた石炭を、このジブローダーで掻き寄せたり均したりしていました。貯炭場の鉄骨桁の上に敷かれたレールの上をジブローダーが移動できるようになっています。
 
国内では池島にしか残っていない貴重なものですが、2012(平成24)年の台風でやや傾いてしまったようです(写真は2008年に撮影)。
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【25】

選炭工場

採掘したばかりの石炭(原炭という)には岩石が入り交じっており、そのままでは使えません。この原炭から岩石を取り除く工程を選炭といい、そのための施設が選炭工場です。原炭を水に浸け、岩石より比重が軽い石炭を浮かせる方法で選り分けていました。
 
外壁に錆が出ている矩形の構造物は、石炭を一時貯蔵する貯炭槽(ホッパー)という施設です。筆者は北部九州各地の炭鉱遺構を見て回りましたが、他の炭鉱の貯炭槽は鉄筋コンクリート造が多く、鉄骨造の現存例は珍しいと思います。下の方に見える円形構造物は選炭後の排水を浄化するシックナーという施設です。

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【26】

発電所

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池島港の住宅街を抜け、台地に向かって坂道を上る途中にあるのが石炭火力発電所です。竣工は1967(昭和42)年。前述のシックナーで排水から抽出した微粉炭を使って発電するとともに、ボイラーの排熱を利用して海水を淡水化し、1日に2650トンの飲料水を製造していました。閉山に伴い、2002(平成14)年に廃止されています。
 
なお、もともと電力は海底ケーブルで送電されているので、この発電所がなくても支障はありません。

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