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池島炭鉱 施設編 5/6 )
Ikeshima Coal Mine ( facilities )
長崎市池島町
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【51】

坑内見学ツアー

池島炭鉱で特筆すべきは一般人が坑道を見学できることです。確かに、他の金属鉱山等でも閉山後に坑道を公開しているところが何カ所かありますが、現役時代そのままの状態が維持されている池島炭鉱は迫力が違います。交通の便は必ずしも良くないものの、本物の坑道が見られるなら池島に行く価値は十分にあるでしょう。
 
池島炭鉱の坑内見学は2006(平成18)年頃から散発的に実施された後、2011(平成23)年から恒常的に開催されるようになりました。興味のある方は下記リンク先をご覧ください(注意:筆者に問い合わせてもお答えできません)。基本的に現地集合・現地解散ですが、東京出発のツアーもあります。ただ、自由行動の時間を確保するには池島まで自力で行くことをお薦めします(交通手段は6ページを参照)。
 
このページでは、筆者が参加した2008(平成20)年の見学ツアーの模様を紹介いたします。2011年以降のツアーと内容はほぼ同じだと思いますが、当時と現在では変わっている部分があるかもしれないことをご承知ください。

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【52】

パネル展示と炭鉱弁当

2008年3月、筆者は同好の士と一緒に早朝に池島入りし、午前中は島内を散策しました。正午過ぎに池島港に戻り、昼の船便で上陸した他のツアー参加者と合流。ここから三井松島リソーシスさんの案内で見学ツアーが始まります。
 
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まずは池島中央会館で炭鉱に関するパネル展示を見学した後、炭鉱マンが食べていたものを再現したという“炭鉱弁当”をいただきました。美味しかったのですが、量はやや物足りないかなという感じ。ツアー中にお腹が減るのが心配な人は、アメやチョコレートなどを用意しておくといいでしょう。
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【53】

入坑準備

次にバスで第二竪坑櫓に隣接する建物に移動。坑内に入る準備としてヘルメット、キャップランプ、バッテリーを装着します。これらを身に付けると気分はまるで炭鉱夫です。
 
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準備や事前説明を受ける部屋は、実際に炭鉱労働者が入坑準備を行っていた場所で、繰込場といいます。充電器を兼ねたラックにランプのバッテリーがズラリと並んでいるのを見ると、かつては大勢の人達が働いていたのだなと実感します。
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【54】
 
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坑口の扁額には「本卸坑口 昭和二十七年十月」とある。これは坑道の鍬入式を行った時期。

坑口から入坑

再びバスに乗って炭鉱の入口である坑口へ移動。筆者の見学時は、排気竪坑の南側に二つある斜坑口のうち、本卸坑口(ほんおろしこうぐち)と呼ばれる方から人車(じんしゃ)という車両で入坑しました。閉塞していない坑口を見るのも、人車に乗って入坑するのも、炭鉱ファンにとって実に感動的な体験です。
 
ただし、現在は本卸坑口の使用は中止されているため(閉塞はしていない)、現行ツアーは池島港付近にある別の坑口から入るようになっています。こちらは斜坑ではなく水平の坑口です。

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【55】

坑内

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人車を降りるとそこにはリアルな炭鉱の世界が広がっています。地下深く編み目のように掘られた坑道に対して、立ち入り可能な範囲は地上付近のごく一部に過ぎませんが、それでも大小さまざまなパイプやケーブルが這う薄暗い坑道は見応え十分です。
 
なお、坑内の撮影は自由ですが、なにぶん団体行動なので、三脚を立ててじっくり撮影する時間が確保できるとは限りません。もっともこれはツアーの参加人数次第で、少人数なら比較的余裕があるかと思います。三脚が使えれば理想的ですが、いちおう手持ちで夜景撮影ができるレベルのカメラを用意した方がいいでしょう。
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【56】

炭鉱マンが説明

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ツアーでは、かつて池島炭鉱で採掘に従事されていた方が説明をしてくださいます。写真56は切羽(きりは)と呼ばれる採掘現場。右はロードヘッダーという炭層を削り取る機械。複雑な形状のドリルがそそられます。
 
続いて、貯炭場付近に設けられた模擬坑道に移動するのですが(“模擬”とあるように本物の坑道ではない)、そちらの説明は割愛します。坑内見学が終わると、中央会館に移動して池島炭鉱を紹介する映画を鑑賞し、ツアーは終了。筆者が参加したときはだいたいこんな流れでした。

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スライドショー 19枚(写真をクリックすると次を表示、下辺にマウスカーソルを合わせるとサムネイルを表示します)


リンク

  1. 九州最後の炭鉱「池島」より見学するには?
  2. 長崎さるく長崎学さるく池島炭鉱さるく
  3. ながさき旅ネット法人・団体向けサイト産業観光池島炭鉱体験コース

坑内見学ツアーは予約が必要。「長崎さるく」と「ながさき旅ネット」という二つの予約窓口が存在するが、どちらも長崎国際観光コンベンション協会の受付である。詳しくは同協会に問い合わせていただきたい。

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