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池島炭鉱 施設編 6/6 )
Ikeshima Coal Mine ( facilities )
長崎市池島町

交通、宿泊

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池島への航路(Googleマップのキャプチャを加工)

池島行きの船は3港から

離島である池島に行くには船に乗るしかありません。2013年3月現在、池島行きの船は長崎県の佐世保、瀬戸、神浦(こうのうら)という3つの港から出ています。

佐世保港

佐世保市の佐世保港からは高速船が就航しており、大島・松島・瀬戸の各港を経由して約1時間で池島に到着します。佐世保港ターミナルには佐世保市街から路線バスですぐ行けますし、駐車場もあります。ただし、池島行きは1日2便と少ないのが難点。

瀬戸港

瀬戸港は西海市の港で、フェリーが就航しています。1日6便と3港のうち最も充実し、所要時間は約30分。なお、瀬戸港への公共交通機関は路線バスしかなく、便数も少ないので、港へはマイカー・レンタカーで行くことを勧めます。近隣(徒歩10分程度)の郵便局そばに低料金の駐車場あり。長崎県外から車で行く場合、佐世保市で高速を下りて瀬戸港に向かうのが最適なルートです。

神浦港

神浦港は長崎市神浦江川町(旧外海町)の港。船はフェリーと高速船が1日1便ずつ、そして小型船が5便(第2・4・5日曜運休)就航しています。所要時間は約30分。小型船は海が荒れると欠航するおそれあり。港までの交通事情は瀬戸港と同様です。港に無料駐車場があるとのこと。

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【71】瀬戸〜池島間を結ぶフェリー

車で移動する場合

次に、移動手段(車 or 路線バス)によって、3港のどこを利用するのが適当かを検討してみます。
 
車で移動するなら、便数の多い瀬戸港か神浦港に向かうのがいいでしょう。池島は徒歩で見て回れるくらい小さな島である上、フェリーに車を載せる料金がけっこう高いので、島で車中泊をするのでもない限り、車は港に置いて単身での渡航を勧めます。

路線バスで移動する場合

車が使えないなら港まで路線バスでの移動になります。佐世保港はバスで行きやすいが船便が少ない、瀬戸・神浦港はバスが少ないが船便は多い、というふうに一長一短ですが、アクセスの容易さとバスの時間的制約を考えると、やはり佐世保港が適当だと思います。ただし、池島で宿泊するなら時間的に余裕ができるので、瀬戸・神浦港も検討する余地があります。

長崎県に行くには

長崎県内や近県に住んでいるなら車で瀬戸・神浦港に直行すればいいわけですが、では遠隔地(特に九州以外)から公共交通機関で池島に行く場合、長崎県にはどのように向かえばいいでしょうか。通常は長崎空港か福岡市経由の2ルートが考えられます。

長崎空港

2013年3月現在、三大都市圏の空港(羽田・中部・伊丹・関空・神戸)と長崎空港との間に定期便が就航しています。ただし、長崎空港は西彼杵半島とは大村湾の対岸に位置して池島まで距離があるため、長崎空港〜池島間の移動が悩ましいところです。空港でレンタカーを借りて瀬戸・神浦港に向かうのが手っ取り早い方法ですが、徹底的に公共交通機関を使うなら、バスかジャンボタクシーで佐世保市に向かい、佐世保港から乗船するルートが適当でしょう。

福岡市経由

自宅の最寄りの空港から長崎空港に直行便が出ていないなら、九州の交通網の中心である福岡市を経由した方が便利です。この場合、空路や新幹線等で福岡市に行き、そこからは次の選択肢が考えられます。

  1. 福岡市でレンタカーを借りて佐世保・瀬戸・神浦港のいずれかに向かう
    • 池島の他、福岡~長崎間に複数の訪問先を考えているならこの方法がベストです。
  2. JRか高速バスで長崎市か佐世保市に向かう
    • 佐世保市に行って佐世保港から乗船してもいいのですが、佐世保か長崎市に到着後、レンタカーで瀬戸・神浦港に向かう方法もあります。福岡~長崎間の長距離運転はしたくない、または長崎県内に複数の訪問先がある場合にお薦めです。

端島(軍艦島)と池島の両方に行くには

遠路はるばる池島を訪問しようという人の多くは、端島(軍艦島)の上陸も希望すると思います。軍艦島上陸ツアーは長崎港から出発するので、池島と軍艦島の両方に行くなら必然的に長崎市街を経由することになります。2島訪問の最短ルートは「長崎空港 or 福岡市 → 長崎市 → 軍艦島 → レンタカーで神浦港 → 池島」。これを軸に、予算や他の訪問先の順序などを考えながら予定を組んでみてください。公共交通機関オンリーで長崎市街から池島へ移動する場合、本数の少ない路線バスで神浦港に直行するより、JRか高速バスで佐世保市に向かった方が、そちらの市内観光もできていいかもしれません。

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【72】池島中央会館

池島での宿泊

池島の滞在時間はどうしても船便の時刻に制約されます。注意しておきたいのは、坑内見学ツアーはあくまでも炭鉱施設だけしか見ないので、見学ツアーの開始・終了時刻ギリギリで船の予定を組むと、炭鉱住宅といったまちなみを見る時間はほとんどなくなってしまうのです。したがって、自由時間を確保するには始発か朝の早い便で上陸し、最終便で帰ることになるので、日帰りが難しければどこかで宿泊する必要があります。普通は長崎市か佐世保市に泊まるところですが、池島でもふたつの方法で宿泊が可能です。
 
ひとつは島内唯一の宿泊施設である池島中央会館に泊まること。鉄筋コンクリート造の施設で落ち着いて休むことができますが、基本的に素泊まりなので食事は島内の食堂を利用するか持参する必要があります。お風呂は館内にある他、島内で共同浴場が営業しています。
 
もうひとつは旅慣れた上級者向けの方法になりますが車中泊です。


リンク

  1. 九州最後の炭鉱「池島」より 「地域おこし協力隊」という総務省の取り組みで池島に移り住んだ小島健一氏のブログ。池島の情報を積極的に発信されている。池島に行くなら必見。 > 池島に行くには?池島行きの船(フェリー、高速船)炭鉱見学に間に合うためにはどのバスに乗るか?(小島氏のツイッターアカウント @kojimakenichi
  2. ようこそ炭鉱体験「池島」へ 小島氏によるもうひとつの池島紹介サイト
  3. 池島風景 小島氏による池島の写真のTumblr
  4. 池島 かつて公開されていた池島を紹介するウェブサイト「池島のページ」を復元・復刻したもの
  5. 三井松島産業株式会社100年の礎石 松島炭鉱を発端とし、長崎県の松島・大島・池島で炭鉱を開発・操業してきた会社の直接的な後継企業。現在の池島炭鉱を管理する三井松島リソーシスは三井松島産業の系列企業である。
  6. 西日本新聞池島炭鉱関連記事
  7. 読売新聞 長崎島と生きる 池島炭鉱閉山から10年
  8. 廃墟徒然草 -Sweet Melancholly-池島炭鉱カテゴリ
  9. ナガジン!発見!長崎の歩き方 バックナンバー炭鉱の島・池島探検!
  10. @ニフティ デイリーポータルZ海底炭鉱ツアー島全体が廃墟へと向かっている島日比谷線に乗って炭鉱に行く感じ〜池島すてき!〜
  11. 島の図書館だより─離島文献情報サイト「島の図書館」のブログ1996 池島
  12. 探検コム企業・経済史長崎・池島炭鉱に行ってみた 戦後の「石炭政策」60年史
  13. 炭鉱マニア松島炭鉱(株)池島炭鉱
  14. HEYANEKOの旅心のページ廃村と過疎の風景(2)「西彼の小島の炭鉱跡を訪ねる」 ~ 長崎県高島町高島,外海町池島
  15. 池島日和
  16. 鉱業関係データサイト写真データ「地域:長崎、開始・終了:指定しない、キーワード:池島」で検索
  17. 池島(長崎県)池島炭鉱 ウィキペディア

参考文献

  1. 『産業遺産の記録』J-heritage、三才ブックス
  2. 『ワンダーJAPAN』14号 特別企画 池島炭鉱、三才ブックス
  3. 『鉱山をゆく』イカロス出版
  4. 『松島興産70年史』松島興産70年史編集委員会、松島興産
  5. 『外海町誌』外海町役場
  6. 『長崎県池島における炭鉱開発と住民の反応』三木剛志、法政大学人間環境学会「人間環境論集」2012年2月号、法政大学学術機関リポジトリの当該ページ
  7. 『離島活性化の取組み ─長崎市池島町─』ながさき経済2012年12月号、杉本士郎
  8. 『明るい炭鉱』吉岡宏高、創元社(北海道の炭鉱を中心に述べた本だが、炭鉱の仕組みについて分かりやすく解説している)
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