
【02】
力強い造形
長崎市公会堂は一目で印象に残る力強いデザインが魅力的な建物です。軒先の厚さで重厚感を、両側の大胆な片持ちスラブで構造の先進性を表現するなど、鉄筋コンクリート造建築の可能性を追求したデザインとなっています。原爆の惨禍から立ち直った長崎市にとって、復興のシンボルとなるにふさわしい建物といえるでしょう。
設計者について
設計したのは早稲田大学のプロフェッサーアーキテクトだった武基雄。丹下健三や黒川紀章らに比べると知名度はいささか低いものの、ル コルビュジエの流れを汲むデザインで建築好きの間では高く評価されている建築家です。この長崎市公会堂はDOCOMOMO Japan※ の選定建築物に選ばれました。長崎市出身の武基雄はその縁で長崎県内でいくつかの仕事をしており、長崎水族館(現 長崎総合科学大学)、諫早市民センター、島原文化会館、大村市立図書館といった建物が今も現役で残っています。
※ DOCOMOMO(ドコモモ)はモダン ムーブメントに関わる建築物の保存活動を行う国際組織でパリに本部を置く。DOCOMOMO Japan はその日本支部。

【03】
良好な状態を維持
公会堂は昭和37年に完成してから半世紀近くが経過していますが、目立った傷みもなく良好な状態で使われています。側面のルーバーが後年の改修と思われる他はおおむね竣工当時の姿を維持しているようです。
エレベーターがないなど現代の基準から見れば不便な部分がありながらも大事に使い続けている長崎市の姿勢は評価できます。昭和30~40年代に完成したいわゆる昭和モダン建築の建て替えが相次ぐ中、この公会堂が末永く存続することを願って止みません。

【04】
近隣の建物
ちなみに、公会堂から道路を挟んだ対面にある長崎市民会館(石本建築事務所、1974、下の写真)も個性的な昭和モダン建築なので、併せて見学することをお勧めします。

建物名 |
長崎市公会堂
Nagasaki City Municipal Hall
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設計者 |
武基雄 / 早稲田大学武研究室
TAKE Motoo / Waseda University Take Laboratory
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所在地 |
長崎市魚の町4-30
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用途 |
ホール
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竣工 |
1962(昭和37)年
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構造・規模 |
構造:鉄筋コンクリート造、階数:5階
建築面積:1,981m2、延床面積:5,992m2、客席数:1,922席
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交通 |
鉄道:長崎電気軌道(路面電車)公会堂前駅下車すぐ
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備考 |
長崎市は将来解体する意向を表明
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関連サイト
- 長崎市公会堂 公式サイト
参考文献
- 『建築MAP 九州/沖縄』134頁、TOTO出版
- 『九州・沖縄を歩こう! 建築グルメマップ2[九州・沖縄編]』114頁、エクスナレッジ
公開日:2010年3月14日、最終更新日:2011年6月4日、撮影時期:2009年12月
カメラ:Nikon D50(Photoshopで修正)



