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オーガニックビルディング大阪 ( 1/2 )
Organic Building Osaka
大阪市、ガエターノ ペッシェ+UDコンサルタンツ、 1993(平成5)年
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外壁全体に植木鉢

オーガニックビルは、昆布を製造・販売している老舗企業の本社兼テナントビルです。「おもろいものをつくりたい」という施主の要望と企業理念である「自然との共生」のふたつからイタリア人アーティストが出したアイディアは、壁面全体に植木鉢を取り付けるという奇抜なもの。こんなデザインを採用するノリの良さは、大阪ならではといったところでしょうか。
 
しかも、132個の植木鉢はひとつひとつ形と植物の種類が異なっているのです。植物は世界中から集めたとのことで、自動給水装置付きとはいえ管理が大変かと思いますが、私が見た限りはどの植木鉢も枯れることなく育っており、適切に管理されている様子でした。

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【03】

本当にオーガニックか?

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しかし、このデザインが「自然との共生」や「環境への配慮」を実現しているかというと、私は多いに疑問を感じます。
 
少なくとも建築緑化をするならば、それによって空調等のエネルギー消費量を削減できなければ環境配慮とはいえないでしょう。その効果がなく、単に植物を維持するために給水するだけでは、逆に余計なエネルギーを消費していることになります。また、世界中から植物を集めた行為も本来の植生を無視しており、少々エゴイスティックな印象を受けます。
 
結局のところ、この植木鉢は単なる装飾と言わざるを得ませんが、あえて好意的に評価するなら、花模様の壁面装飾で有名なアール ヌーボー建築の名作 マジョリカハウスの現代版と解釈することも可能でしょう。アール ヌーボーの特徴は植物をモチーフにした有機的な装飾ですから、ならばオーガニック(有機的)ビルの名前に納得できないこともありません。
名称

オーガニックビルディング大阪

Organic Building Osaka

設計

ガエターノ ペッシェ+UDコンサルタンツ

Gaetano Pesse + UD Consultants

所在地

大阪市中央区南船場4-7-21

用途

事務所、店舗

竣工

1993(平成5)年

構造・規模

構造:鉄骨鉄筋コンクリート造、階数:地下1階 地上9階

建築面積:675.79m2、延床面積:7,052.86m2

交通

鉄道:地下鉄御堂筋線または長堀鶴見緑地線 心斎橋駅下車 徒歩10分

参考文献

  1. 『建築MAP 大阪/神戸』61頁、TOTO出版

リンク

  1. Medic-Web南船場スペシャリティーorganic ビル誕生秘話
  2. excite ニュースコネタオーガニックビル
  3. HeT architectureオーガニックビル

公開日:2003年12月21日、最終更新日:2011年10月1日、撮影時期:2003年9月
カメラ:Nikon COOLPIX775(Photoshopで修正)

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