BFI ロンドン IMAX シネマ00
BFI ロンドン IMAX シネマ ( 1/2 )
BFI London IMAX Cinema
ロンドン、ブライアン エイヴェリィ、1999
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【01】
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【02】

交差点の中心にある映画館

ロンドンのIMAXシネマは実にユニークな形の映画館です。大きな円筒形の建物はまるで石油かガスのタンクをガラス張りにしたかのよう。実はこの映画館、交差点のど真ん中にあるのです。

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【03】

ラウンドアバウト

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ロンドンのラウンドアバウト

イギリスをはじめヨーロッパ諸国では交差点がロータリーになっている場合が少なくありません(もちろん十字路もある)。彼の地ではこれをroundabout(ラウンドアバウト、発音はランダバウト)と呼びます。映画館はこの交差点中央の「島」に建っているわけです。
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【04】

ガラス張りの効果

ガラスの内側にはもうひとつ壁があってダブルスキン(二重壁)を構成しています。建物の内部が見えたらもっと面白いのですが、映画館という用途では閉鎖的にせざるを得ないため、立面が表層的なデザインにとどまる点は仕方がないでしょう。
 
むしろ、このガラスは建物の映り込みを狙ったものだと思います。交差点を取り囲む建物は建設年代もデザインも実に様々です。その都市景観が円筒形のガラスの壁という360度のスクリーンに映ることで「ロンドンの歴史」を上映しているといえます。

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【05】

立地

ところで、ロータリー式の交差点の場合、「島」の周囲は常に自動車が走行しています。そのため、映画館には地下通路からアクセスするようになっていて、建物と道路との間にはドライエリア(空堀)があります【04】。というより「島」全体を一旦掘削してそこに映画館を建てたと見なした方がいいかもしれません。

IMAXとは

なお、建物名称でもある「IMAX(アイマックス)」とはカナダのIMAX社が開発した特殊な映写システムのことです。このシステムは迫力ある立体映画を体感することができます。

名称

BFI ロンドン IMAX シネマ

BFI London IMAX Cinema

BFI は British Film Institute の略で英国映画協会のこと。

設計者

ブライアン エイヴェリィ

Bryan Avery

住所

ロンドン

1 Charlie Chaplin Walk, South Bank, London SE1 8XR

用途

映画館

竣工

1999年

構造

鉄骨造?

交通

鉄道:地下鉄 Waterloo 駅下車、徒歩約5分

マーカー左からロンドン アイウォータールー駅、IMAXシネマ


参考文献

  1. 『ヨーロッパ建築案内3』40頁、淵上正幸、TOTO出版

リンク

  1. BFI IMAX 公式サイト

公開日:2008年7月13日、最終更新日:2012年7月28日 記事を一部修正してスライドショーを追加、撮影時期:2004年9月
カメラ:Panasonic LUMIX DMC-FX1(Photoshopで修正)

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