レドンホール マーケット
レドンホール マーケット ( 1/2 )
Leadenhall Market
ロンドン
photo01

【01】
photo02

【02】

金融街の市場

レドンホール マーケットはロンドンの金融街シティのど真ん中にある市場です。見た目はまるで高級ブティック街といった趣ですが、ここは肉屋や八百屋といった食料品店や飲食店が並ぶれっきとした市場。日本で言えば東京の丸の内に市場があるようなものでしょうか。
 
基本的には日本のアーケード付き商店街と同じ形態とはいえ、雰囲気はまったく違います。日本との最大の違いは何と言ってもデザインの統一性です。もちろん、日本とイギリスでは商売のやり方や客の行動が異なるので、一概にどちらが「良い/悪い」と評価することはできませんし、私も優劣を付けるつもりはありません。
 
ただ、レドンホール マーケットを見ると、個々の店舗のサインを抑制してでも全体的なイメージを優先させて客に「またここに来たい」と思わせた方が、店舗全体の利益に結びつくのではないか、と感じました。
 
ちなみに映画『ハリー・ポッター』シリーズに登場する“ダイアゴン横丁”のロケ地でもあります。また、2012年のロンドン オリンピックではなんとこの中がマラソンコースになり、選手達が走り抜けていきました。

【03】

小規模ながらも奥深い空間

photo032
写真03のように狭い通路もあります。レドンホール マーケットはそれほど大きなアーケード街ではないものの、このような路地的な存在が空間に奥深さを与えています。すべての通路にトップライトがあるので薄暗さは感じません。

歴史と名前の由来

マーケットが建っている場所は、1世紀にローマ人が建設した教会の跡地とのこと。そしてレドンホール(Leadenhall)という名前は、14世紀にこの一帯の所有者だったネヴィル一族の家屋(ホール hall)の屋根が鉛(リード lead)で葺かれていたことに由来します。鉄とガラスのアーケードが設置されたのはヴィクトリア朝時代です。

photo04

【04】
photo05

【05】

ライトアップの美しさ

photo052
写真04以降はライトアップされた状態です。訪れたのは確か金曜日の午後9~10時くらいだったでしょうか。すべて閉店している上、週末のビジネス街なので通行人すら誰もいません。人っ子一人いない中、淡い光に照らされたアーケードを歩くのは実に幻想的な体験でした。

観光にお薦め

実は写真01~03の写真も比較的早朝の光景でお店は営業していません。イギリス旅行中、ついに営業時間中にここを訪れることができなかったのが個人的にいささか心残りです。これからロンドンを旅行される方はぜひ平日の昼間に行って市場本来の雰囲気を味わって欲しいと思います。
 
セントポール大聖堂とロンドン塔のおおむね中間地点にあるので、徒歩でシティの観光名所を巡る途中、レドンホール マーケットで昼食を取るか、食べ物を買ってロンドン塔近くのテムズ河の川辺でランチタイムにするプランがお薦めです。

名称

レドンホール マーケット(レデンホールとも)

Leadenhall Market

設計者

不詳

住所

ロンドン

Leadenhall Market, London

用途

市場(店舗)

竣工

未確認

構造

屋根は鉄骨造、建物はレンガ造と思われる

交通

鉄道:地下鉄 Monument 駅で下車、徒歩約10分

左からレドンホール マーケット、ロイズ オブ ロンドン


参考文献

  1. 『歴史発見!ロンドン案内』森正人、洋泉社

リンク

  1. Leadenhall Market 公式サイト
  2. 英国ニュースダイジェスト > 隠れ家ストリート > ストリート・リスト > Leadenhall Market EC3

公開日:2009年5月4日、最終更新日:2013年5月26日 文章を若干修正、撮影時期:2004年9月
カメラ:Panasonic LUMIX DMC-FX1(Photoshopで修正)

inserted by FC2 system