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城野団地

概要

城野(じょうの)団地は、福岡県北九州市小倉北区の城野地区に昭和30年代に建設された。戦前、この場所には旧陸軍の兵器補給廠が設置され、戦後は米軍による接収期間を経て自衛隊が受け継ぎ、城野分屯地となる。その際、敷地の一部が警察の施設と官舎、一般の公務員宿舎、そして日本住宅公団(現・UR都市機構)に分割された次第である。
 
城野団地の戸数は494戸と中規模だが、北九州市の昭和30年代の団地としてはこの戸数は多い方だ。住棟は2階建ての低層棟と5階建ての中層棟で構成され、敷地の南半分を低層棟が占める。あくまでも筆者の推測だが、低層棟が多いのは、城野分屯地の中が上階から覗かれないようにするためではなかろうか。また、低層棟の住戸はフラットとメゾネットの2タイプがあり、フラット住戸の2階建てという公団では比較的珍しい住棟が多い点が城野団地の特徴である。住棟の配置は南面平行。

城野分屯地は2008(平成20)年に廃止されて自衛隊は退去し、URが中心となって跡地の再開発がなされることになった。2014(平成26)年の時点ではまだ更地だが、今後、環境を重視した先進的なまちづくりが行われる予定である。これに併せて、URは従来の城野団地については団地再生(集約化)、つまり一部の住棟は解体し、残りの住棟は改修して使い続ける方針を決定した。敷地南側の低層棟と西側・北側の中層棟、全体で半数弱の住棟が解体され、中心部が残されている。
 
存続となった住棟は、2012(平成24)年にサッシの更新など機能面の改修とともに、色彩計画専門のデザイン事務所CLIMAT(クリマ)による新たな塗装が施された。色彩計画を簡単に説明すると、住棟ごとにピンク、黄色、黄緑、緑の4系統の色が塗られた上で、各棟も単一ではなく色を細かく塗り分けることで壁面にグラフィカルな構成が作られている。ただし、この改修では住戸の平面(間取り)は変わっていない。

その次の段階として、OpenA + らいおん建築事務所 + 北九州家守舎の三社共同体の設計で一部住戸のリノベーションが行われ、2014年8月に6タイプのモデルルームが公開された。UR九州支社では初めての本格的な団地リノベーション事業である。最終的には30戸程度にリノベが実施される。
 
本稿では低層・中層住棟の各タイプとその改修前・後、および給水塔などの関連施設ごとにページを分けて紹介する。リノベーション住戸については、筆者も内覧会に行ったのだが、2タイプをうっかり見落としてしまったため、ここでは4タイプのみ掲載している。
 

データ

住所:福岡県北九州市小倉北区城野団地
竣工:1958〜1963(昭和33〜38)年
戸数:竣工時 494戸、集約化後 268戸
備考:一部現存

リンク

  1. UR賃貸住宅 九州・沖縄エリア城野城野団地
  2. CLIMAT(クリマ)城野団地 外壁修繕計画
  3. 団地R不動産城野団地リノベーションプロジェクトレポート 第1回 住む・働く・暮らす、新しい団地のカタチ
  4. 不動産業務のためのサポートサイト R.E.port九州初、民間企業との団地リノベプロジェクトが本格始動/UR都市機構
  5. 遊都総研【ニュース】UR都市機構九州支社と民間企業三社共同体、城野団地で住戸リノベーションプロジェクトを始動
  6. ふくおか経済「ゼロ・カーボン」の城野区画整理事業が本格着工 UR都市機構九州支社 15年度まち開きへ
  7. 公団ウォーカー公団城野団地
  8. 市街地住宅K.K城野団地
  9. よしいさんの、毎日。
  10. 「環境社会学/地域社会論 琵琶湖畔発」Faculty of Sociology, Ryukoku University小倉時代

 
作成日:2011/10/29、最終更新日:2014/10/4

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