西中央公団住宅は福岡県北九州市八幡東区にある市街地住宅だ。竣工は1963（昭和38）年。9階建てのうち1〜3階にテナントが、4階から上に住居が入っていて、住戸数は104戸である。住戸階はカギ型に折れ曲がるやや複雑な形をしており、大通りに接する部分のみ住戸はサンルーム型で外壁はタイル貼り、それ以外はバルコニー型の吹き付け仕上げになっている。つまり、大通り側立面は集合住宅風に見せない、という市街地住宅における定番の手法なのだが、西中央公団住宅の場合は後ろの部分も前面道路からよく見えるため、デザインの違いが明確に分かる。

その大通り側の部分では、ペントハウスから突き出た大きな屋根が外観上のアクセントになっている。また、歩道にアーケードが架かったせいで目立たないが、2階のガラスブロックも見所である。