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中央魚市アパート

概要

中央魚市アパートは山口県下関市の魚市場の近く、魚市場に通じる引き込み線沿いにある。おそらく水産関係者向けに建てられた民間集合住宅だろう。魚市場の中心が旧市場の北側に移り、引き込み線も廃線となった現在、中央魚市アパートの周辺はやや寂れた場所になっている。

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建物はL字型で、この形状だと普通は片廊下型が採用されるものだが、中央魚市アパートは階段室型である。バルコニーはL字の内側向きを基本としつつ、コーナーの住戸だけは外側に付いている。階段室の位置はバルコニーと同じ立面と反対側の2パターンに分かれる。また、このバルコニー周りのデザインをよく見ると、公営住宅標準設計51C型に酷似していることに気付く。つまり、中央魚市アパートは同型の北入り(51CN)と南入り(51CS)がL字に合体したものである可能性が高い。公営住宅ではこのような変則プランはなかなか認められないだろう。非常に珍しい集合住宅だ。

1951(昭和26)年度の標準設計である51C型がベースということは、1951〜1954(昭和26〜29)年頃の竣工と思われるが、正確な年は分からない。

データ

住所:山口県下関市大和町1-12
竣工:1951〜1954(昭和26〜29)年頃か?
撮影:2010(平成22)年2月

作成日:2014/7/19、最終更新日:同左

左から丸福ビル、中央魚市アパート

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