炭鉱住宅
明治から戦後しばらくの間は石炭が主要なエネルギー源であり、大量の労働力を必要とする炭鉱では比較的初期の頃から大規模な炭鉱住宅街が形成された。炭鉱住宅(炭住)は用途としては社宅の一種であるが、危険な環境で働く労働者と家族の結束力の高さや、離島のように隔絶した立地を背景に、一般的な民間企業の社宅とは異なる独自の世界が見られる。炭住の構造は鉄筋コンクリート(RC)造の中高層建築物と木造長屋に大別できる。RC造の代表は何と言っても通称「軍艦島」で有名な端島炭鉱(長崎県)で、早くも大正時代に高層棟が完成している。そこまでではないにせよ、長崎県の他の島にも中高層住棟の炭住街が建設された。とはいえ、圧倒的に数が多かったのは木造長屋の方である。閉山後は老朽化と産炭地振興策のために各地で建て替えが進んだものの、旧産炭地には今もある程度は残っている。
下記リストの「一部現存」とは、掲載写真に写っている建物について、その一部は解体されたが残っている部分もあるということを意味する。ただし、最新情報とは限らない。