手結港可動橋
概要
手結港
マストやアンテナ等の突起物を持つ漁船が橋の下を通過するには、水面から橋桁まで一定の高さが必要であり、普通の桁橋だと景観に及ぼす影響は必然的に大きくなる。可動橋ならば高さを抑えることができるので、歴史的価値のある手結港に採用されたのだろう。可動橋としての形式は跳開式、いわゆる跳ね橋である。跳開式には橋桁が両開きと片開きのタイプがあるが、手結港可動橋は片開きを採用。つまり橋の全長32.8mが一気に立ち上がるわけで、橋桁が上がるとまるで道路が屹立しているような不思議な姿が現れる。確かに違和感はあるが、長大な橋梁が視界を横切るよりはまだマシといえよう。
橋桁の開閉については、漁船が出入りするたびに開くのではなく、日中はおおむね1時間ごとに橋桁を上げたままか下げたままを繰り返し、夜間(18:00~6:30)は上げたままというスケジュールで動く。したがって、橋が開いている時間帯に通りかかった車は集落を抜けることになる。実は橋桁が下がった状態は1日8時間だけで上がっている時間帯の方が長く、これで事足りる交通量ならそもそも橋を架ける必要などなかったのでは、という気がしないでもない。
データ
住所:高知県香美郡夜須町手結
竣工:2002(平成14)年
撮影:2006(平成18)月10月
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作成日:2013/5/30、最終更新日:2013/5/31