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手結港可動橋

概要

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手結港

高知県香南市夜須町の 手結(てい)港は1655(明暦元)年頃に竣工したとされる港で、石積みの護岸に囲まれた船溜まりは現在も使われている。江戸時代の土木技術の高さを物語る遺構だ。その港にあるのが手結港可動橋(正式名称は高知県手結港臨港道路可動橋)である。この橋は、手結港の内港(船溜まり)を一周する既存道路のショートカットとして港の出入口に架かっている。ただ、内陸部に別途バイパス道路が通っているので橋の通行量は多くない。

マストやアンテナ等の突起物を持つ漁船が橋の下を通過するには、水面から橋桁まで一定の高さが必要であり、普通の桁橋だと景観に及ぼす影響は必然的に大きくなる。可動橋ならば高さを抑えることができるので、歴史的価値のある手結港に採用されたのだろう。可動橋としての形式は跳開式、いわゆる跳ね橋である。跳開式には橋桁が両開きと片開きのタイプがあるが、手結港可動橋は片開きを採用。つまり橋の全長32.8mが一気に立ち上がるわけで、橋桁が上がるとまるで道路が屹立しているような不思議な姿が現れる。確かに違和感はあるが、長大な橋梁が視界を横切るよりはまだマシといえよう。

橋桁の開閉については、漁船が出入りするたびに開くのではなく、日中はおおむね1時間ごとに橋桁を上げたままか下げたままを繰り返し、夜間(18:00~6:30)は上げたままというスケジュールで動く。したがって、橋が開いている時間帯に通りかかった車は集落を抜けることになる。実は橋桁が下がった状態は1日8時間だけで上がっている時間帯の方が長く、これで事足りる交通量ならそもそも橋を架ける必要などなかったのでは、という気がしないでもない。

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データ

住所:高知県香美郡夜須町手結
竣工:2002(平成14)年
撮影:2006(平成18)月10月

リンク

  1. 鉄道ホビダス台車近影その1 手結可動橋(可動橋の詩)

作成日:2013/5/30、最終更新日:2013/5/31

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