三池炭鉱 勝立坑
概要
勝立坑(かっだちこう)は、1889(明治22)年に三池炭鉱が政府から三井に払い下げられる前、官営時代に開発された坑口のひとつである。官営時代の1885(明治18)年に第一竪坑の開削に着手したものの、湧水のために工事は難航し、1889年の自然災害で水没してしまう。三井の所有に移った後、三池炭鉱の事務長であった団琢磨(だんたくま)の提案でイギリスのデビー社製排水ポンプを導入し、1895(明治28)年にようやく操業を開始した。また、同年には第二竪坑も開発している。このように工事の着工こそ官営時代だが、操業までこぎつけたのは三井による。
現存する遺構は、第二竪坑櫓の基礎部分である。矩形の基礎がふたつあるということは、それぞれ竪坑櫓と巻揚機室の基礎で、開口部の痕跡がある方が竪坑ではないかと推測するが、詳細は分からない。
データ
住所:福岡県大牟田市勝立町
竣工:1895(明治28)年
撮影:2008(平成20)年6月
リンク
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参考文献
- 『筑後の近代化遺産』九州産業考古学会筑後調査班、弦書房
作成日:2012/11/11、最終更新日:同左