タイトルロゴ
トップ写真

宮浦坑 大斜坑

三池炭鉱 宮浦坑

概要

三池炭鉱の坑口のひとつである宮浦坑は、大牟田駅から東に徒歩20分程度という市街地に比較的近い場所にある。操業開始は1888(明治21)年で閉坑したのは1968(昭和43)年。80年という操業期間は坑口群においては最長で、主力坑として長年にわたり三池炭鉱の経営を支え続けた。

坑口は竪坑と斜坑がふたつずつ存在した。まず1887(明治20)年に第一竪坑が開削(着工)、翌年に竣工して操業開始となる。レンガ造煙突は第一竪坑巻上機を動かす蒸気機関の排煙用としてこのとき建てられた。そして大正時代に第二竪坑と大斜坑が完成。もうひとつの斜坑である材料降下坑も早い時期の開坑と思われるが、開坑年は分からない。第一・第二竪坑は戦後初期に閉坑して櫓は解体。1968(昭和43)年に宮浦坑自体が閉坑した後、多くの施設は解体されて敷地の大部分には他の民間工場が進出した。そして、ふたつの斜坑と煙突などごく一部が保存され、宮浦石炭記念公園に整備されて1996(平成8)年に開園、現在に至る。

竪坑櫓が現存し、世界遺産候補「明治日本の産業革命遺産」の構成資産に選ばれた宮原坑や万田坑に比べると、宮浦坑の存在感はやや低いように感じられるが(実際、宮浦坑の訪問者は少ない)、レンガ造煙突や斜坑が残る宮浦坑も貴重な存在であり、三池炭鉱の遺構巡りの際はぜひ見ておきたい。

データ

住所:福岡県大牟田市西宮浦町132-8

参考文献

  1. 『筑後の近代化遺産』九州産業考古学会筑後調査班、弦書房
  2. 『日本の石炭産業遺産』徳永博文、弦書房

関連サイト

  1. 建築マップ三池炭鉱宮浦坑 筆者が別サイトに公開した記事。宮浦坑についてもう少し詳しく説明している。

作成日:2014/10/17、最終更新日:2014/10/22 材料降下坑等を追加

inserted by FC2 system