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志免炭鉱

概要

志免炭鉱は、福岡市近郊に広がる糟屋炭田の主要炭鉱だったところだ。同炭鉱の特徴はふたつある。ひとつは、旧海軍や国鉄が経営していた、いわば公営の炭鉱だったことだ。明治初期にいくつかの炭鉱が官営だった時期を除き、基本的に我が国の炭鉱経営は民間が行っており、軍や国鉄の直営というのは珍しい。

最初に旧海軍が志免炭鉱に注目したのは、燃焼した際に煙が少ない無煙炭という性質が軍艦に適していたからである。やがて軍艦の燃料は石油に切り替わったものの、太平洋戦争の終結まで志免炭鉱は海軍の管轄だった。戦後は国鉄の経営に移り、蒸気機関車向けに石炭を供給して戦後復興と経済発展に貢献したが、1964(昭和39)年に閉山した。

もうひとつの特徴は、何といっても鉄筋コンクリート(RC)造の巨大な竪坑櫓の存在だ。これは海軍工廠の設計によって1943(昭和18)年に竣工した。戦時下にこのような大規模構造物を建設していたとは意外だが、長崎県の軍艦島(端島)でも戦時中にRC造の高層集合住宅が建てられており、エネルギー源である炭鉱への設備投資は絶え間なく継続していたことがうかがえる。

なお、筆者は建築マップというサイトにも志免炭鉱の紹介記事を公開している。そちらもご覧いただきたい。

データ(竪坑櫓)

住所:福岡県糟屋郡志免町志免
竣工:1943(昭和18)年
備考:国指定重要文化財

リンク

  1. 志免立坑櫓を活かす住民の会
  2. 志免炭鉱 建築マップ


作成日:2012/1/1、最終更新日:同左

マーカー:左から志免駅跡、志免炭鉱竪坑櫓、ボタ山、炭鉱住宅街
ライン赤:勝田線の廃線跡、青:香椎線貨物支線の廃線跡

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