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高炉

概要

前ページで述べたように、東田第一高炉は我が国における近代製鉄業の原点というべき記念碑的な高炉である。ただし、それ以前に岩手県釜石など3カ所に官営製鐵所が既に建設されており、1901(明治34)年に稼働したものの技術的に苦心した八幡製鐵所の問題解決にあたっては、釜石製鐵所の経験が活かされていることを忘れてはなるまい。

東田第一高炉の上部に掲げられている「1901」のプレートは、操業を開始した年を表している。もっとも、現存する第一高炉は1962(昭和37)年に建設された第10代であり、1901(明治34)年当時のものではない。

幕末の反射炉が史跡として保存されている例はあるが、近年まで稼働していた大規模高炉が保存されたのは今のところ東田第一高炉だけである。近代化遺産への関心の高まりとともに、産業界では鉄道・機械・工業製品を保存する動きが次第に増えつつあるものの、国内でこれほど巨大な設備を公式に保存した事例は炭鉱の竪坑櫓の他は少ない。最近ではJFE千葉製鉄所第五高炉が惜しまれながらも解体されてしまった。

なお、海外ではドイツのフェルクリンゲン製鉄所が工場を丸ごと保存した例として有名である。

データ

竣工:初代 1901(明治34)年、第10代 1962(昭和37)年
撮影:2006年12月、2010年3月、2011年10月、2012年1月

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