陸軍上西郷航空廠弾薬倉庫
概要
太平洋戦争中の1943〜1944(昭和18〜19)年、福岡県の上西郷村(現在の福津市上西郷)に陸軍の弾薬庫が建設され、鹿児島本線の福間駅から弾薬庫まで引き込み線も敷設された。弾薬庫の敷地は約100万平方メートルに及び、弾薬庫の他に兵舎や作業舎があったという。戦後、大半の施設と引き込み線は撤去されたが、2棟の弾薬庫が水田の中に現存している(3棟あるともいわれているが、1棟は解体された模様)。
弾薬庫は矩形のごくシンプルなデザイン。フラットルーフでも水勾配は必要だが、勾配が付いているようには見えないのが、いささか不自然に感じる。構造は、倉庫全体が鉄筋コンクリート(RC)造に見えるが、開いていた扉から内部を確認したところ、柱・梁・スラブがRC造で、壁は鉱滓レンガ造のようだ。
一方、引き込み線は道路や農地に変わっていて痕跡はほとんど残っていない。筆者が確認できたのは、福間駅構内の分岐跡と思われる部分、駅付近で円弧を描いている道路、水光会病院付近の上西郷川に残っている橋台、の3点くらいである。福間駅〜西郷川間の地形は、鉄道が通っていたにしては勾配がきついので、廃線後に切り通しを埋め戻したものと思われる。
データ
住所:福岡県福津市上西郷
竣工:1944(昭和19)年
撮影:2008(平成20)年8月(福津駅周辺)、2009(平成21)年1月(弾薬庫・西郷川の橋台)
リンク
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- 響とバイクと山遊び > 廃墟&近代化遺産(福津市の弾薬庫)
- phoblog de otchee > 弾薬庫引き込み線!?
- 博多っ子 旅に出る > 福間 旧日本陸軍弾薬庫 引き込み線跡の調査①
作成日:2012/9/23、最終更新日:同左