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銅座市場

概要

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銅座市場近くの銅座川

銅座市場は長崎市にある市場で銅座川を塞いだ暗渠の上に建っている。戦時中、この周辺の家屋は建物疎開のために撤去され、幅45mの道路になった。1948(昭和23)年、長崎市は幅27mまで狭めて歩道に露天を並べる計画を立てたところ、すぐさまバラックが密集するヤミ市が形成される。1951(昭和26)年、市はバラックを撤去するため、移転先として銅座川の一部を暗渠化してその上に2階建ての木造長屋を建設。これが銅座市場とその隣の思案橋商店街(ハモニカ横丁)である(リンク1・2)。

しかし、長崎市は暗渠を構成するコンクリート床版の老朽化や防災対策を理由に、市場を移転した上で暗渠を撤去する方針を決め、市場側と長年にわたり交渉を続けてきた。同じく暗渠の上に建っていた大黒・恵比須市場の撤去が実現したこともあり、銅座市場についても近い将来の撤去が予想される(リンク3)。

長い間親しまれた場所が無くなるのは寂しいことではあるが、耐用年数と災害対策を考えると、撤去はやむを得ないであろう。一方、銅座川の川底に敷かれている石畳は1886(明治19)年に施工されたものであり(リンク5)、河川をオープンにして土木遺産を活用した親水空間を造れば、新たな観光スポットとして期待できる。

銅座市場は歓楽街の中にあるが、市場そのものは食料品などの小売店が並ぶ昔ながらの商店街だ。地味な入口から中に入ると、狭い通路の両側に商品を雑然と積んだお店が並んでいて、数十年前にタイムスリップしたかのような感覚に陥る。古いデザインの看板類も魅力的だ。通路は2層分の吹き抜け空間で、屋根は木造だと思われるが、天井にボードが張られているので小屋組は目視できない。

データ

住所:長崎市銅座町
竣工:1951(昭和26)年
撮影:2011(平成23)年7月

リンク

  1. 長崎んことばかたらんば長崎銅座市場
  2. 長崎年表長崎年表冩眞舘銅座川
  3. 正しい休日の過ごし方銅座市場も閉鎖・・・
  4. 建築マップ長崎市の木造市場 筆者が「建築マップ」にUPした長崎市の木造市場をまとめた記事
  5. 土木遺産 in 九州土木遺産目録長崎県銅座川暗渠部,護岸


作成日:2014/4/20、最終更新日:同左

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