JR九州 篠栗線
概要
篠栗線は、桂川駅(福岡県嘉穂郡桂川町)と吉塚駅(福岡市)を結ぶ25.1kmの路線で、篠栗トンネルで八木山峠を貫通して筑豊地方と福岡都市圏を連絡している。福岡県内の多くの路線と同じく、篠栗線も石炭輸送のために敷設された。まず、八木山峠の福岡市側である篠栗駅~吉塚駅間が1904(明治37)年に九州鉄道によって開業。その一方、篠栗トンネルの工事が難航したため、峠を挟んだ筑豊側の桂川駅まで全線開通したのは実に64年後の1968(昭和43)年のことであった。
既に炭鉱の全盛期は過ぎており、筑豊炭田の運炭線としては遅きに失してしまった。もっとも、篠栗駅まででも沿線の糟屋炭田の石炭輸送には十分役に立っていたといえよう。現在は、桂川駅で筑豊本線と接続している利点を生かし、博多駅〜小倉駅間を筑豊経由で結ぶ路線(愛称:福北ゆたか線)に利用されている。
このような経緯から、歴史的な構造物は初期に開業した篠栗駅〜吉塚駅間に集中している。