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スライドショー 28枚

ななつ星in九州

概要

ななつ星in九州はJR九州が運行する観光目的に特化した寝台列車である。九州内の路線を1泊2日か3泊4日のコースで巡り、各地で途中下車して観光を楽しむという内容で、オリエント急行といった世界的な豪華列車に匹敵するサービスを日本で初めて実現した。ななつ星in九州の乗客定員はわずか28人。客室は全てスイートルームとDXスイートルームで構成され、料金は最低でも1泊2日のスイートルームが18万円、最高では3泊4日のDXスイートAが70万円もするが(JR九州募集の第5期分、2名1室利用の場合)、2013(平成25)年10月の運行開始以来、予約は常に数十倍の倍率と高い人気を保っている。

車両編成はディーゼル機関車1両と客車7両で、今のところ1編成のみ。機関車はDF200形をななつ星in九州専用に改装したもの(写真01)、客車は新たに製造された専用車両で77系という。客車は1号車がラウンジカー、2号車がダイニングカー、3〜7号車が寝台車で、1~3号車はJR九州小倉総合車両センター、4〜7号車は日立製作所が製造。そして内外装など意匠面の設計は、JR九州のデザイン顧問で工業デザイナーの水戸岡鋭治氏が行った。水戸岡氏はJR九州の数々の車両デザインを手掛けており、また、そもそも豪華寝台列車の導入は彼が強く働きかけていたという経緯がある。

ななつ星in九州の車体は深いワインレッド一色で塗装されている。表面は鏡面仕上げが効き過ぎて、駅では回りの風景や人が映り込んでしまい撮影に困る程だ。これにななつ星をモチーフにしたマークや文字などのサイン類が金色で施されている(写真02)。全体的にケレン味の強いデザインは好き嫌いが分かれるところだが、豪華列車としての存在感を出すにはこれくらいは必要なのだろう。ただ、機関車の前面にフェイクのグリルを付けた点は疑問に思う(写真01)。

ななつ星in九州の運行ルートや時刻は時期ごとのコース設定で異なる。おおよそのスケジュールは公式サイトに公開されているので見学・撮影する人は参照されたい。ななつ星が博多駅を発車する場面を簡単に説明すると、乗客はホームの上の階にある専用ラウンジでくつろいでいて、入線直前に駅員がエスカレーター前に赤絨毯を敷いてから乗客はホームに下りる(写真03)。ななつ星がホームに入ってもすぐには発車せず、その間に乗客は記念撮影を行う。さらに鉄道マニアやたまたま居合わせた一般客も集まって、ちょっとした撮影会が始まることになる。本稿の写真はこのとき撮影した。

なお、博多駅に入線する際など回送のときのみ、DE10形ディーゼル機関車がななつ星を牽引する。このDE10は2010(平成22)年にNHKの番組企画で走行した臨時列車「BSデジタル号」のために黒く塗装されたもので、企画終了後もそのまま使われている(写真04)。

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データ

製造:DF200形ディーゼル機関車 川崎重工業、77系客車 JR九州小倉総合車両センターおよび日立製作所
意匠設計:水戸岡鋭治
撮影場所:博多駅(福岡県福岡市博多区)
撮影:2014(平成26)年3月

リンク

  1. クルーズトレイン ななつ星in九州 JR九州の公式サイト
  2. ななつ星倶楽部
  3. マイナビニュース旅行鉄道 > 鉄道トリビア222 JR九州「ななつ星 in 九州」で63年ぶり復活の「イ」とは?
  4. @DIME【NEXT NIPPON MAKERS】水戸岡鋭治氏が語る、日本初のクルーズトレイン「ななつ星in九州」誕生秘話
  5. 日経トレンディネット「ななつ星」を生んだカリスマ、JR九州社長、唐池恒二の「ネーミング術」
  6. ななつ星in九州JR貨物DF200形ディーゼル機関車国鉄DE10形ディーゼル機関車水戸岡鋭治 ウィキペディア

作成日:2014/9/14、最終更新日:同左

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