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リンケ ヴィーンツァイレの集合住宅 ( 2/3 )
Linke Wienzeile Houses
ウィーン、オットー ヴァーグナー、1899年
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【05】
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【06】

エレベーター扉の装飾

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マジョリカ ハウスは平面装飾とともにエレベーターホールの装飾の美しさもよく知られています。
 
まず、エレベーターの構造が日本とは異なるので説明しておくと、螺旋階段の吹き抜けがエレベーターシャフトを兼ねていて、エレベーターのカゴやケーブルは丸見えです(右の写真)。カゴが着床すると連動する電気錠が開き、利用者はカゴと建物側の扉を手動で開いて乗り降りします。この構造は他の建物でも珍しくありません。私がウィーンで泊まったホテルもそうでした。
 
つまり、写真06は階段手すりと一体化した建物側のエレベーター扉なのです。
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【07】

平面的な造形

写真07はエレベーター扉から連続する階段手すり。マジョリカ ハウスはヴァーグナー建築におけるユーゲントシュティールの代表作ですが、ギマールオルタのアールヌーヴォー建築の造形と比べると、平面的な傾向があるように思います(ヴァーグナーが劣っているという意味ではない)。
 
また、実際に見ると意外と塗装が雑でした。当初から雑だったのか、補修工事でそうなったのかは分かりませんが。

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【08】

各部のデザイン

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写真08は内部廊下に面した住戸の窓と格子で、右の写真は照明器具。下は廊下の床のいろいろな模様です。このような意匠が随所に見られます。
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名称

リンケ ヴィーンツァイレの集合住宅

Linke Wienzeile Houses

通称

マジョリカ ハウス、メダイヨン ハウス

設計者

オットー ヴァーグナー(オットー ワーグナーとも)

Otto Wagner

所在地

ウィーン6区

Linke Wienzeile 38, 40, Wien6

用途

集合住宅

竣工

1899年

構造・規模

構造:鉄筋コンクリート造

面積:未確認

交通

鉄道:地下鉄U4号線 Kettenbrueckengasse 駅下車

マーカー上からリンケ ヴィーンツァイレの集合住宅、ケッテンブリュッセンガッセ駅


補註

  1. マジョリカ ハウス、メダイヨン ハウスとも現役の集合住宅。私は関係者のご厚意でマジョリカ ハウスの階段室までは入らせていただいたが、実際は部外者は立ち入り禁止。

参考文献

  1. 『新建築1991年1月臨時増刊 創刊65周年記念号 建築20世紀PART1』新建築社
  2. 『建築巡礼10 世紀末の中の近代 オットー・ワグナーの作品と手法』越後島研一、丸善
  3. 『世界の建築・街並みガイド5』エクスナレッジ
  4. 『図説ウィーン世紀末散歩』南川三治郎、河出書房新社

リンク

  1. オットー・ワーグナー ウィキペディア

公開日:2003年6月15日、最終更新日:2011年6月11日、撮影時期:2002年1月
カメラ:Nikon COOLPIX 775(Photoshopで修正)

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