【02】
廃墟と化した神殿のような発電所
テートモダン
【03】
設計者
バターシー発電所・バンクサイド発電所とも設計したのはジャイルズ ギルバート スコット。彼の父と祖父も著名な建築家で、祖父のジョージ ギルバート スコット(父と祖父は同名)はセント パンクラス駅のステーションホテルなどを設計しています。
洋楽ファンにも有名
テムズ川のやや上流からの光景
【04】
敷地周辺の状況
なお、発電所の敷地は高い塀で囲まれて立ち入りできないので、川を渡って間近に行ってもほとんど見えません。敷地周辺は人通りがほとんどありませんので、接近する場合は十分に気を付けてください。写真04は塀の隙間から撮った写真ですが、後述する再開発工事が始まれば覗き見は難しいかもしれません。
マレーシアの企業が再開発か
バターシー発電所については、過去、何度も再開発計画が持ち上がっては頓挫しました。筆者が把握している最新情報では、2012年にマレーシアの企業連合が敷地を落札し、高層集合住宅などを建設する再開発計画が進行中です 註1 。発電所の建物は改修して保存するようですが、現状がどの程度維持されるかはまだ分かりません。
【05】
あのパビリオンが移築
さて、敷地正門の門扉越しに敷地内を覗いたところ、何やら奇妙な建築物を発見(写真05) …ってこれ、建築家の伊東豊雄氏が設計したサーペンタイン ギャラリー パビリオン 註2 ではないですか! こんなところに移築されていたとは。しかし、発電所の敷地は立ち入り禁止なので、このパビリオンも遠目に眺めるだけしかできません。本気で門を乗り越えようかと考えましたがどうにか思いとどまりました。ああ、中に入りたかったですね。
追記:2013年時点のGoogleマップを見ると、パビリオンがあった場所は更地になっていました。どこかに再移築先されたのか廃棄されたのか、詳しいことは分かりません。
名称 | バターシー発電所(バタシー発電所とも) Battersea Power Station |
---|---|
設計者 | ジャイルズ ギルバート スコット Giles Gilbert Scott |
住所 | イギリス、ロンドン 188 Kirtling Street, London SW8 5BP |
用途 | 発電所(廃墟状態を経て現在は再開発事業が進行中) |
竣工 | 1933年 |
構造 | 鉄骨造 |
交通 | 鉄道:地下鉄 Pimlico 駅で下車、徒歩約20分 |
備考 | 敷地への立入不可。敷地近辺は人通りが少ないので注意のこと。テムズ川の対岸が見学・撮影のベストポジション。 再開発に伴う建設工事のため、今後は外観が変化する。 |
マーカー上からチャンネル4、バターシー発電所
補註
- マレーシアへのビジネス進出等をサポートするウェブサイト ASSET PREMIER(アセット プレミア)の記事によると、マレーシアの不動産デベロッパー SPセティア社、パームオイル最大手で不動産業も手掛けるサイムダービー社、マレーシアの企業年金基金(EPF)の3社連合が、2012年に4億ポンド(約600億円)でバターシー発電所跡地を落札したとのこと。
- サーペンタイン ギャラリー(Serpentine Gallery)はロンドンのケンジントンガーデンにある美術館。この美術館では2000年以降、夏季限定の仮設パビリオンを設置している。毎年、異なる建築家が手掛けるパビリオンのデザインは実に個性的。2002年のパビリオンが伊東豊雄氏の設計だった。他の年も何人かの日本人建築家が参加している。
リンク
- UK Adapta. > Architecture > All Articies > Battersea Power Station
- Battersea Power Station 再開発業者であるBattersea Power Station Development Companyの公式サイト(英語)。完成予想パースによると、発電所の周囲を高層集合住宅で壁のように取り囲む計画らしい。テムズ川の対岸からは見えるが、それ以外の角度では発電所が隠れてしまうかもしれない。
- Battersea Power Station ウィキペディア英語版
- ケンプラッツ > 「普通じゃない」発電所遺構を核にロンドン大改造 閲覧には会員登録が必要
公開日:2006年6月17日、最終更新日:2013年8月17日 文章の修正・追記、写真の修整・追加、撮影時期:2004年9月
カメラ:Panasonic LUMIX DMC-FX1(Photoshopで修正)