【02】
イギリス田園地帯の普通の教会
セント グレゴリー アンド セント マーチン教会は、イングランド南東部ケント州のワイという村にある教会です。筆者は2004年にこの村を訪れて2〜3日ほど滞在しました。村全体の様子は
別の記事で述べるとして、本稿では教会について紹介いたします。
周囲に墓標が不規則に点在する光景は、正に田舎町の教会というか、映画などで見る「ヨーロッパの古い教会」のイメージそのもの。現地の人々には失礼ながら、夜中に地面から何かが出てきそうで、一人で夜にここを歩く勇気はありません。そんな第一印象でしたが、実際はとても味わい深い建築でした。
【03】
建設過程の概要
13世紀当時の模型(南立面)
【04】
古い構造形式の小屋組
なお、この教会は決して特別な存在ではなく、他の場所でもカラー ルーフを見かけました。つまり、イギリスは中世の建築が普通に残っているわけです。
【05】
“神の家”としての教会建築
他に目を引いたのがパイプオルガン。小さな村の教会にしてはなかなか立派なものだと驚きましたが、あるいはそれは日本人的な感想で、教区教会ならこの程度は珍しくないのかもしれません。
筆者が訪れたとき、教会には誰もいませんでした。遠いイギリスの田舎町で、西日が差し込む無人の教会に佇んだあの瞬間は、非キリスト教徒の私でさえ神に近付いたような気がしたものです。
名称 | セント グレゴリー アンド セント マーチン教会 Parish Church of St Gregory and St Martin Parish Churchは教区教会の意味 |
---|---|
設計者 | 不詳 |
所在地 | ケント州ワイ、イギリス Wye, Kent, UK |
用途 | 教会 |
竣工 | 身廊は13世紀、それ以外は17世紀後半以降と思われる。 |
構造 | 石造 一部木造 |
交通 | 鉄道:Ashford to Ramsgate (via Canterbury West) Line, Wye 駅下車 徒歩10分 |
マーカー上からセント グレゴリー アンド セント マーチン教会、ワイ
参考文献
- 『絵で見るイギリス人の住まい1─ハウス─』マーガレット/アレクザンダー ポーター著、宮内さとし訳、相模書房
リンク
公開日:2012年8月5日、最終更新日:2012年8月5日、撮影時期:2004年9月
カメラ:Panasonic LUMIX DMC-FX1(Photoshopで修正)