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基町高層アパート

概要

広島市内を流れる太田川沿いでは、多数の高層団地が建ち並ぶ壮観な都市景観を見ることができる。市営 基町高層アパートはその主要な一画を占めている団地だ。戦後、原爆の惨禍から復興する過程で、この地区一帯には原爆スラムと呼ばれる木造住宅の密集地が形成されていた。これを撤去して整備されたのが基町・長寿園高層アパートである。紆余曲折はあったにせよ、これほど大規模なスラムクリアランス事業をやり遂げたことは、都市計画史の大きな成果といえる。

住棟は南北軸に対して45度振られていて、雁行しながら敷地を取り囲むように展開している。敷地内にはショッピングセンターや幼稚園、小学校、銭湯などもあり、ひとつの街を形作っている。ショッピングセンターは、建物というか人工地盤というべき構造物で、屋上緑化には現在のエコロジー建築にもつながる先進性が見られるが、立ち入り可能な範囲が狭く有効に活用されていない点や、内部の店舗が寂れている点が残念である。

データ

住所:広島市中区基町
設計:大高正人
竣工:1972(昭和47)年(第一期)
撮影:2005(平成17)年5月、2007(平成19)年1月

リンク

  1. 基町・長寿園高層アパート 建築マップ
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