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別府団地

概要

別府(べふ)団地(別府住宅)は福岡県住宅協会(現・福岡県住宅供給公社)が1954(昭和29)年度に建設した団地だ。住所は福岡市城南区鳥飼5(竣工当時は西区)なので、本来は鳥飼団地とすべきところだが、おそらくその名前の県営住宅が既に存在したため(団地は今もあるが住棟は建て替え済み)、南に隣接する別府地区の名前を採用したのだろう。別府団地は廃止・解体されて2008(平成20)年に民間マンションが竣工した。

ちなみに、別府地区には日本住宅公団(現・UR)が1959〜61(昭和34〜36)年にかけて別府団地(ほぼ建て替え済み、現・アーベインルネス別府)を建設した他、福岡市営による別府住宅も存在する。この一帯に団地が多いのは筑肥線の鳥飼駅が近くにあったからだが、福岡市営地下鉄の開業に伴い筑肥線の博多〜姪浜間は1983(昭和58)年に廃止された。1970年代の航空写真には筑肥線が写っている(右の写真、下の方)。現在の城南区役所や城南区保健福祉センター付近が鳥飼駅の跡地である。

別府団地は3棟の4階建て板状住棟が南面平行で並んでいた。『福岡県住宅復興誌 I 』によると住戸タイプは住宅協会標準設計の54BS型。階段室が南側にあることを示す「S」が符号に付いている通り、北入りやNSペアではなく全て南入りという点がユニークだ。住戸数は1棟24戸×3棟で計72戸のはずだが、前掲書には80戸と記載されていて数が合わない。たぶん誤記ではなかろうか。

福岡県住宅協会による住棟は階段室開口部の形状に特徴があり、年度ごとに格子状や市松状など工夫を凝らした開口部をデザインしている。とりわけ、円形の穴をドット状に設けた54BS型は名作といえよう。

写真の撮影時期は二期に分かれる。前半(1〜6枚目)は2005(平成17)年3月で住民がいる状態、後半(7〜16枚目)は同年8月で住民の退去が完了した状態である。

データ

住所:福岡市城南区鳥飼5
竣工:1954(昭和29)年度
撮影:2005(平成17)年3月・8月
備考現存せず

作成日:2010/6/28、最終更新日:2014/7/20

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