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百道二丁目市街地住宅

概要

福岡市西部の中心は西新(にしじん)や百道(ももち)といい、商店や公共施設、文教施設が集中している。百道二丁目市街地住宅はその一角に建っていて、低層部には早良区役所が入っている。福岡市の区役所では他に博多区と東区が公団市街地住宅と一体化している(博多区は博多駅前二丁目市街地住宅を参照)。

市街地住宅の立面は、生活感を隠すためにバルコニーではなくサンルームを採用してオフィスビル風にデザインされる場合が多い。それはここも同様だが、庇の存在は他の市街地住宅ではあまり見かけない特徴である。庇を付けたり柱型・梁型を見せるなど、百道二丁目市街地住宅のデザインは官庁建築や郵政建築に近いといえるだろう。もちろん、日射や雨のことを考えると住宅の窓は庇があった方が望ましい。市街地住宅はサンルームが日射のバッファゾーンになっているわけだが、庇によって居住性がより向上している。

住戸階の全体的な平面は南北に細長いロの字型を構成している。便宜上、ロの字を構成する四辺を東・西・南・北棟と呼ぶ。各棟とも片廊下型で、東・西・南棟は住戸が外側に、廊下が内側の吹き抜けに面する。これに対して北棟だけは、北向き住戸を避けるために住戸が吹き抜けに、廊下が外側に面している。

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左:北棟から南棟を見る、右:南棟から北棟を見る

ただし、北棟の下半分は住戸が入っていなくてヴォイドスペース(何もない空間)のままだ。集合住宅はもちろん、建築設計全般においてデッドスペースの発生はコスト的に避けるべきものだが、百道二丁目市街地住宅の場合、下の方は日照時間が確保できないためヴォイドスペースにせざるを得なかったのだろう。いちおう柵で囲ってベンチを置いて交流スペースにしているものの、「他に使い道がないから」という感じは否めない。もっとも、その中途半端さも含んだところに団地観賞の面白さがあると筆者は思っている。

屋上には物干し場と遊び場(プレイロット)がある。物干し場は現在も使っている人がいるようだが、屋上で遊ぶ子供はさすがにいない。滑り台とジャングルジムは撤去済み。その他のコンクリート製遊具は、危険性が低く撤去が面倒なので残されている。

データ

住所:福岡県福岡市早良区百道2-1
竣工:1971(昭和46)年
撮影:2010(平成22)年1月

作成日:2012/12/6、最終更新日:同左

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