樺島灯台(旧 野母崎灯台)
概要
樺島(かばしま)は、長崎市の南に突き出た長崎半島(野母半島)の南端に浮かぶ島。本土とは橋で結ばれていて陸路で行くことができる。
樺島灯台は昭和初期に建設された鉄筋コンクリート造で、島の南端に位置する。当初、この灯台は長崎半島の南端である野母崎に建てられる予定だったが、樺島の方が効果的との判断から現在の位置に変更になった。しかし、野母崎に設置する予定で予算を要求していた都合上、樺島にありながら野母崎灯台の名前で完成。1953(昭和28)年に本来の地名である樺島灯台に改められた。
灯台に隣接する吏員休息所(灯台守の官舎)は、現在は樺島灯台資料館として一般公開されている。明治初期の休息所が洋風建築であるのとは対照的に、樺島灯台のそれは無装飾で機能主義的だ。この当時、灯台を管轄していたのは逓信省灯台局であり、逓信省の建築といえば東京・大阪の中央郵便局に代表されるようにモダニズムデザインの先端的な存在だった。僻地の官舎にもその精神は行き届いていたといえよう。コーナーをアール状に納めている点は、逓信省営繕課の旗手 山田守のデザインの影響だろうか。
休息所の内部は間仕切り壁を撤去して当時の内装は残っていないが、展示されているパースや平面図で竣工当時の様子を知ることができる。
データ
住所:長崎市野母崎樺島町
初点灯:1932(昭和7)年
撮影:2010(平成22)年2月
備考:アクセス道路は狭くて見通しが効かないので運転に注意。
リンク
作成日:2012/3/12、最終更新日:同左