現 北九州市国際海運会館
旧 ノルウェー海員教会
概要
北九州市国際海運会館は、関門海峡に面した同市門司区のノーフォーク広場にある。元々はノルウェー海員教会として1973(昭和48)年に竣工した建築で、その後、市の公共施設に転用され、飲食店と小説家 林芙美子(はやし ふみこ)の資料館が入っている。筆者が訪れたときは飲食店が営業しているかどうかよく分からない状態だったが、2014(平成26)年にリニューアルオープンしたとのこと(リンク1)。また、『放浪記』などで知られる林芙美子は、本人は山口県下関市出身と述べていたが、実際は北九州市門司区という説があり、いずれにせよ関門地域と縁の深い人物である。ただ、現在の使われ方と国際海運会館という名称との関連性は高くない。
当初の用途であるノルウェー海員教会とは、同国などの船員が寄港した際に礼拝したり様々なサポートを受ける施設だったようだ。かつて貿易港として栄えた門司港らしい施設といえる。設計したのは教会建築を得意とする一粒社ヴォーリズ建築事務所だが、この建築の外観には教会らしさをあまり感じない。キリスト教徒以外の日本人も訪れやすいようにとの配慮だろうか。正確な理由は分からないが、他の用途に転用された現在、結果的にこのデザインは功を奏している。
データ
住所:福岡県北九州市門司区旧門司2-5-1
設計:一粒社ヴォーリズ建築事務所
竣工:1973(昭和48)年
撮影:2011(平成23)年11月
リンク
作成日:2014/11/16、最終更新日:同左