九州歯科大学は福岡県北九州市にある歯科専門の大学で付属病院も持っている。その初期の建物を設計したのは、逓信省出身の建築家で数多くの学校や病院建築を手掛けた山田守氏である。ただし、2000年代後半に全面的な建て替え工事が行われ、彼が設計した建物は全て解体済みだ。昔の航空写真を見ると主な建物は3棟あったらしい。幹線道路（国道3号線）に面する建物は大きく湾曲しており、いかにも山田守氏らしいデザインだが、奥の講堂？ともに既に失われていた。筆者が見ることができたのは中央の真っ直ぐな建物だけである。

中央の棟は鉄筋コンクリート造の4階建て、白い外壁に端から端まで水平連続窓が続くというもので、これはこれで山田氏らしい機能的なデザインといえる。また、コーナーをR状に納めている点は確かに彼の特徴だし（右の写真）、時計台は現代の視点でも十分格好いい。