八女市町村会館は、福岡県の八女市、筑後市および八女郡の自治体で構成する八女・筑後広域市町村圏事務組合が所有するホールで、実際の管理・運営は八女市が行っていた。同会館は解体され、2011（平成23）年、跡地に八女市民会館交流棟（愛称 おりなす八女）が竣工している。なお、2010（平成22）年に広川町を除く八女郡の各自治体が八女市と合併した結果、福岡県が設定する八女・筑後広域圏は八女市・筑後市・広川町の2市1町になった。

施設の内部は見学許可が下りなかったが案内図（平面図）は撮影できた。これと外観から判断すると、鉄筋コンクリート造の柱・梁でカゴ状にフレームを組んで内部に無柱空間を確保する構造だったようだ。ゴシック建築のフライング バットレスを思わせるファサードのフレームは、バットレス（控え壁）ではなくフレーム本体である。このようなメガストラクチャー指向やSF的なデザインはメタボリズムの影響だろうか。とりわけ、ファサードの大階段や斜めの外壁には、久留米市民会館（菊竹清訓、久留米市、1969・昭和44年）の影響を感じる。