【12】
カントリーサイドの小さな村
村の概要と 教会建築については、それぞれ別の記事で紹介している通りです。本稿では、従兄が暮らしていた住宅を通して、イギリスの典型的な住まいであるセミ デタッチド ハウスについて説明いたします。
【13】
セミ デタッチド ハウス(semi-detached house)
セミ デタッチド ハウスは18世紀にイギリスで登場し、カントリーサイドの一戸建を住宅の理想像とするこの国の人々に、比較的低価格で一戸建て風の住宅に住めることが受けて広く普及しました。
なお、セミ デタッチド ハウスを含めてイギリスの主な住居形式には下記の4種類があります。
フラット
日本のマンションに相当する集合住宅。一住戸が複数の階を持っていないため、テラスハウスと区別してフラットと呼ぶ。
テラス ハウス
日本の長屋に相当する集合住宅。長屋といってもグレードは高い。一住戸が2〜5階程度を有し、それが横に連続する。
セミ デタッチド ハウス
一棟を左右対称に分け合い二戸が入る集合住宅。戸建て感覚で住めるのが特徴。
デタッチド ハウス
一戸建の住宅。イギリスの住まいは左記3種類の集合住宅が主流だが、一戸建がないわけではない。
配置図
スクエア
各住戸にアクセスするには、西棟を貫通する通路から中庭に入ってから玄関に向かいます。エントランスの限定と住民の視線が届く中庭によって、ある程度の防犯性が確保されています。
【14】
中庭
海外からの研究者は子供連れの場合が多く、従兄夫婦も幼い子供を連れてきていました。慣れない外国生活を送る研究者とその家族にとって、子供を目の届く範囲で安心して遊ばせることができる住環境は、実にありがたいものです。もしかしたら大学側はその点を考慮してスクエア型にしたのかもしれません。
【15】
周囲の環境
しかし、 ワイの記事(3ページ)で述べているように、大学の上部組織の事情でワイ キャンパスは2009年に閉鎖されてしまいます。その後、この研究者用住宅をはじめとするワイ キャンパスの関連施設がどうなっているのかはよく分かりません。