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阿佐ヶ谷住宅 前川テラスとコモン

概要

阿佐ヶ谷住宅を訪れると誰もが共用空間(コモン)の豊かさに感動するだろう。団地のランドスケープデザイン手法が確立していなかった昭和30年代前半、既にこれほどの空間が実現したことに驚かずにはいられない。これは、津端修一氏をはじめとする公団インハウスデザイナーのレベルの高さを物語っている。阿佐ヶ谷住宅の造園計画は、千葉大学造園学科を卒業後、行政を経て公団に入った田畑貞寿氏が担当した。このコモンについて津端氏は「個人のものでもない、かといってパブリックな場所でもない、得体の知れない緑地のようなもの」「市民たちの庭」と語っている(参考文献4)。

年月を経たコモンは、竣工時に植えられたもの、住民が自主的に植えたもの、自然に増殖したもの、出自の様々な草木が生い茂り、実に見事な空間に成長した。植栽の計画性と無計画性の絶妙なバランスが実に素晴らしい。また、広場ばかりがコモンではない。住戸と広場の中間領域である住棟周りや住棟間の小径も魅力的な空間だ。ただ、植栽が成長するにつれて剪定・伐採等の管理費がかさんだことも事実であり、管理組合が年間1千万円ほどを負担していたという(参考文献3)。

作成日:2013/3/23、最終更新日:同左

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