阿佐ヶ谷住宅 前川テラスのデザイン
概要
前川テラスは外壁がコンクリートブロック(CB)造、臥梁(がりょう)と屋根スラブは鉄筋コンクリート(RC)造、1・2階の床は木造と複数の構造が混在しているが、基本的にはCB造である。屋根は、フラットルーフこそモダニズム建築との傾向が強かった当時では少数派の勾配屋根だ。前川テラス以外に昭和30年代の公団テラスハウスで勾配屋根の事例としては、 仁川団地(兵庫県宝塚市)や 小石団地(福岡県北九州市)などがあるが、この2団地が普通の切妻屋根であるのに対して、前川テラスは片方が長い「招き屋根」が採用されている。このタイプは比較的珍しい。
建物全体から感じるのはプロポーションの良さだ。間延びしがちな妻側(側面)も臥梁で上手く引き締めている。築数十年を経て増改築が施された住戸が少なくないが、オリジナルの部分もある程度は残っていた。このページではその辺を中心に掲載する。
作成日:2013/3/23、最終更新日:同左