タイトルロゴ


スライドショー 16枚

上南町公団住宅

概要

上南町公団住宅は、福岡市博多区堅粕(かたかす)に1964(昭和39)年に竣工した市街地住宅だ。堅粕は博多駅〜吉塚駅間の博多寄りにあって博多駅まで徒歩圏内ながら、あまり開発が進んでいない穴場的な地区である。一般に市街地住宅は幹線道路沿いに建てられるケースが多いが、上南町公団住宅は堅粕地区のやや奥まった場所に建っている。

建物はL字型の5階建てで、1〜2階に事務所が、3〜5階に住宅が入っている。住戸数はわずか24戸。この戸数は公団九州支社では最も少ない。ちなみに2番目に少ないのは冷泉公団住宅(福岡市博多区、1958・S33)と市崎公団住宅(福岡市南区、1961・S36)でともに28戸である。

敷地は北東と北西が道路に接する角地。1~2階の壁面はほぼ道路境界線に沿って立ち上がっているのに対し、3階以上は大きくセットバックしている上、1~2階は濃い色のタイルが貼られている。この結果、低層部は基壇の役割を帯びることになり、小規模な建築にしては存在感がある。なお、上階がセットバックしているのは、異なる奥行きの事務所階と住戸階の立面をL字の内側で揃えたからだ。

建物の北東立面には廊下が、北西立面には住戸が配置され、ふたつの道路側立面とも水平連続窓が多用されている。廊下にも窓が付いているのは、廊下の容積率緩和規定が制定される前の建築物でしかまず見られない設計だ。北西立面の住戸は、市街地住宅が道路に面した場合の基本通りサンルーム型になっているが、そもそもツインコリダー型以外で住戸が西を向くのはかなり珍しい。

データ

住所:福岡市博多区堅粕4-1
竣工:1964(昭和39)年
撮影:2010(平成22)年1月、2012(平成24)年5月

リンク

  1. UR賃貸住宅 九州エリア上南町

作成日:2013/8/16、最終更新日:同左

inserted by FC2 system