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田川炭鉱伊田坑 煙突

概要

伊田坑の2本の煙突は第一竪坑櫓より1年早い1908(明治41)年に竣工した。当初の用途は巻上機や付属施設の動力である汽罐(きかん、ボイラーのこと)の排煙用で、1951(昭和26)年に巻上機の動力が電気に切り替わった後は、病院や炭鉱住宅の風呂用などに使用されていた。筆者が知る限り、炭鉱のレンガ造煙突は伊田坑の2本と三池炭鉱宮浦坑(福岡県大牟田市)の1本が残るだけになっているはずだ。炭鉱以外の工場等でも、小型はともかく明治時代のこれほど大きなレンガ造煙突の現存例は極めて少なく、竪坑櫓とともに貴重な産業遺産である。

寸法は高さ45.72m(150フィート)、底部径5.49m(18フィート)、頂部径2.44m(8フィート)。レンガは大部分がドイツ製で一部は国産(大阪と岡山の会社)である。2本の煙突はほぼ同じ形だが、第一煙突の底部は8角形の基壇状に造られている。デザインが異なる理由ははっきりしないが、炭鉱の現役当時は第一煙突側が人目に付きやすい位置にあったので、意匠性に配慮したのかもしれない。

データ

竣工:1908(明治41)年
撮影:2009(平成21)年12月

作成日:2010/6/6、最終更新日:2014/5/31

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