福岡食糧事務所門司倉庫
概要
1918(大正7)年の米騒動をきっかけに政府は各地に米穀倉庫を設置する。北九州市門司区の倉庫はそのうちの1カ所で、1927〜28(昭和2〜3)年にかけて竣工した。敷地内には倉庫をはじめ、事務所、変電所、岸壁がほぼ竣工当時の姿で現存している。
倉庫は1994(平成6)年に閉鎖された後、ときどき映画のロケに使われる以外は特に利用されていない。かつて門司港駅から倉庫の敷地を通って港湾部まで貨物支線と臨港線が延びており、その一部区間は特定目的鉄道の門司港レトロ観光線として再生している。倉庫を集客力のある何らかの施設に活用して同線を倉庫まで延伸すれば、観光客を呼び込めるのではないだろうか。
敷地内は普段は立ち入り禁止。ここに掲載した写真は、2010年11月に開催された一般公開のときに撮影したものである。
データ
住所:福岡県北九州市門司区大久保2-10-1
竣工:1期工事 1927(昭和2)年、2期工事 1928(昭和3)年
撮影:2010(平成22)年11月
参考文献
- 『北九州の近代化遺産』北九州地域史研究会、弦書房