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No.6
No.6は覆土を失って本体が完全に露出しているので掩体壕の構造を把握することができます。掩体壕の形状は地域や格納する航空機によって差異がありますが、宇佐市の掩体壕の場合は前半分がヴォールト型、後方はドーム型になっているようです(後述するNo.10は別)。
二次曲面のヴォールト型はともかく、三次曲面であるドーム型に型枠を組むのは簡単ではありません。ましてや掩体壕の施工を担ったのは学生をはじめ勤労奉仕に動員された一般人です。私が外観を見て判断するところでは、ヴォールト部分は型枠を使い、ドーム部分は饅頭型に土を盛ってその上にコンクリートを打設し、後で土を掻き出す方法で施工したと思われます。

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No.7
No.7〜9は集落の風景に溶け込んでいてちょっと見つけにくいかも知れません。No.7は民家の倉庫。

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No.8
No.8の上にはかなり樹木が生い茂っています。コンクリートの表面を覆っているだけの土の層でもここまで大きく生長するのかと、植物の生命力には感心しました。

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No.9
No.9も倉庫。各掩体壕の利用方法はおおむね倉庫や車庫ですが、住空間としても面白そうですね。覆土は断熱材代わりになりますし住もうと思えば可能だと思います。

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No.10
No.10は他の9基から少し離れたところにあって寸法もかなり大きく、これだけは別格的な存在です。この掩体壕は一式陸上攻撃機(一式陸攻)という大型機の格納庫だといわれています。隣の民家が納まるほど巨大なコンクリート構造物が水田の中に横たわっている光景は、なかなかインパクトがあります。
名称 | 城井掩体壕群 Joui Bunkers |
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設計 | 不詳 |
所在地 | 大分県宇佐市大字城井159-3(1号掩体壕の場所) |
用途 | 軍事施設(格納庫) |
竣工 | 1943(昭和18)年 |
構造 | 鉄筋コンクリート造 |
交通 | 鉄道:JR柳ヶ浦駅下車、タクシーで約10分 車:1号掩体壕の隣に駐車場あり |
参考文献
- 『九州遺産 近現代遺産編101』砂田光紀、弦書房
リンク
- 掩体壕、城井1号掩体壕、宇佐海軍航空隊 ウィキペディア
- 響とバイクと山遊び > 廃墟&近代化遺産(宇佐掩体壕群)、廃墟&近代化遺産(宇佐 地下司令室)、廃墟&近代化遺産(宇佐地下壕へ潜入の時が来た!)、宇佐の謎の防空壕跡と穴ポコ潜入 掩体壕をはじめとする宇佐市の戦跡を紹介している
- おおいた山日記 > 宇佐海軍航空隊の戦跡を歩く〜特攻隊基地のあった街〜
- 探検北九 > ○○探検隊 > スポットライト > 宇佐城井掩体壕群
- 建築マップで紹介している他の掩体壕 前浜掩体壕群(高知県)、稲童1号掩体壕(福岡県)
公開日:2002年11月10日、最終更新日:2015年8月9日 レイアウトの乱れを修正、撮影時期:2005年8月
カメラ:Nikon D50(Photoshopで修正)