九州工業大学 鳳龍会館
概要
鳳龍(ほうりゅう)会館は、もともと九州工業大学の事務棟として
記念講堂と同じ1960(昭和35)年に建てられたもので、設計も記念講堂と同じく清家清氏が手掛けた。2007(平成19)年にUFA(上野・藤井建築研究所)による改修で「明専会」の施設となり(リンク5)、2012(平成24)年にはランゲッジ ラウンジという国際交流スペースが設置されて(リンク6)、現在に至る。明専会とは九工大の前身である明治専門学校から続く同窓会組織、鳳龍とはその
明専時代から引き継がれている校章の名前であり、九工大時代の記念碑的な建築に戦前の伝統的な名前を付けた上で、国際交流の機能を持たせたことには、大学の過去と未来をつなげる意味があるのだろう。
鳳龍会館 / 旧事務棟は、記念講堂のエントランスの軸線上に両者の妻側(側面)が道路を挟んで向き合う形で建っている。鉄筋コンクリート造、切妻屋根の平屋建てで、緩い屋根勾配、低くて深い軒先、縁側のようなテラス、大きなサッシなど、清家氏の住宅の手法を随所に見ることができる。建物の高さをここまで低く抑えた設計は今時なかなか目にしないので、かえって新鮮な印象だ。現代建築の透明性と日本的なスケール感によって、建築と環境がうまく調和している。
左:記念講堂、右:鳳龍会館
データ
住所:福岡県北九州市戸畑区仙水町1-1
設計:清家清
改修:上野・藤井建築研究所
竣工:1960(昭和35)年、改修:2007(平成19)年
撮影:2010(平成22)年3月
備考:Docomomo Japan No.108(事務棟とセットで)
リンク
- con-Quest 九州を旅するweb magazine > 建築家・中村拓志が巡る、九州建築の旅。ARCHITECTURE in Kyusyu 第1回 福岡編 > 九州工業大学記念講堂/清家清
- 収蔵庫・壱號館 > 九州工業大学記念講堂・事務棟
- 建築写真集NO > 九州工業大学資料館
- 清家清、九州工業大学 ウィキペディア
- UFA 上野・藤井建築研究所 > Project > 九州工業大学(戸畑)鳳龍会館
- 文部科学省 > 調査報告(出版物案内) > 国立大学等の特色ある施設2013 > 23〜28ページ「学生,留学生,教職員が共同で運営し交流を深めるコミュニケーション・スペース」九州工業大学 ランゲッジ・ラウンジ(PDF)
作成日:2014/8/9、最終更新日:同左