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スライドショー 10枚

宮田アパート

概要

宮田アパートは山口県下関市の市営住宅だ。竣工は1950(昭和25)年度で、同市においては1948(昭和23)年度の清和園住宅に続く最初期の団地である。宮田アパートと同年には園田住宅山の口住宅も建設されているが、その後も含めて下関市の市営住宅は「○○住宅」が基本であり、なぜ宮田だけ「アパート」という名称なのかは分からない。

敷地は小さな丘陵地の頂部。関門海峡を見下ろすことができるので、部屋からの景観はさぞ素晴らしいものだろう。2棟の板状住棟が南面平行に建ち、初期の団地計画のセオリー通り、階段室が向かい合うNSペアの配置になっている。ただ、2棟の間にも高低差があって擁壁と斜路で空間が分断されているため、NSペアの目的である住民の交流促進という意味では、いささか不利な敷地かもしれない。

住棟のデザインは、建設時期と外観(特に窓の位置と大きさ)から判断すると、2棟とも公営住宅標準設計の50BN型と思われる。記号のNは階段室が北側にあること(北入り)を意味する一方、NSペアということは2棟のうち1棟は南入りなのだが、宮田アパートの場合、南入りの50BS型は採用せず、50BN型の南北を反転させてNSペアにしているようだ。また、当時の団地は浴室を備えていないため、後年に浴室を増築している。スライドショー1枚目の凸状部分がそれである。

左から清和園住宅、宮田アパート、園田住宅

データ

住所:山口県下関市宮田町2
竣工:1950(昭和25)年度
撮影:2012(平成24)年11月

作成日:2014/4/27、最終更新日:同左

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