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城野団地 給水塔

概要

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左:南側の景観、給水塔はあまり目立たない 右:北側の景観

団地の給水塔は、景観上のランドマークを兼ねて特徴的な形にデザインされる場合が少なくないが、城野団地のそれは柱状というシンプルな形にとどまっている。ちなみに福岡県内では大橋団地(福岡市、1960・昭和35年、現存せず)が城野団地とおおむね同じデザインだった。公団九州支社最初期の 大谷団地槻田団地(どちらも北九州市、1956・昭和31年)の給水塔は逆とっくり型というユニークな形だが、これは福岡県住宅協会の設計をそのまま用いた可能性が高い。よって、城野と大橋は公団九州支社における初期のオリジナル給水塔で、この時期はまだシンプルな形状を好む傾向が強かったものと思われる。

給水塔は城野団地に北側から入った際に効果的に見える位置に建っており、 銘板が北側に設置されていることも含め、団地の配置計画は北側からのアプローチを重視していることが読み取れる。最寄り駅である城野駅に近い団地の出入口は南側なのに、反対側をメインアプローチにしているのは少々意外に感じる。

給水塔はごく単純な形ではあるが、上部の点検用タラップとその踊り場が外観のアクセントとして上手く効いている。また、折板構造の片持ちで造られた出入口の庇には設計者の遊び心がうかがえる。

データ

撮影:2005(平成17)年4月、2011(平成23)年10月、2014(平成26)年1月・8月

作成日:2014/9/6、最終更新日:同左

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