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セント キャサリン ドックの可動橋群 ( 5/5 )
Movable Bridges of St Katharine Docks
ロンドン
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【502】

珍しい引込式可動橋

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4番目に紹介する可動橋は引込式というタイプ。橋桁が岸壁から突き出すように水平方向に動きます。これはけっこう珍しいタイプの可動橋で、探せば他にもあるのでしょうけど、筆者はこの橋と福岡県大牟田市にある 三池港閘門の可動橋の2ヶ所しか見たことがありません。
 
土木ファンや橋梁デザインに関心がある人でなければ、なかなか共感を得られないかと思いますが、筆者にとっては、この引込式可動橋の発見がセント キャサリン ドックにおける最大の収穫でした。
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【503】

ピットに橋桁を収納

もう少し詳しく見てみましょう。可動橋の延長線上に鋼板で覆われた部分がありますが、この下がピットになっていて、橋桁はここに引き込まれます。動力は可動橋3と同じく人力。橋のたもとのハンドルを回して橋桁を動かします。
 
当然、引き込む際に橋の手すりは邪魔になります。手すりのデザインが簡素なのは、事前に倒すか引き抜くかすることを示していますが、根元のディテールを確認していないので、具体的な方法かは分かりません。いずれにせよ、都心部で一般市民が通行する歩道橋としては驚くほど簡素な手すりで、転落事故が起きないのかと気になりますが、その辺は各自の注意に任せているのでしょう。これも未確認ですが、それぞれの橋のたもとに設置されている赤いケースの中には、浮き輪か何かが入っていると思います。

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【504】

昔の引込式可動橋を保存

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そして、驚いたというか、さすがだと感心したのが可動橋5として紹介する左の写真。セント キャサリン ドック建設当初に架かっていた引込式可動橋が、可動橋4の両側のたもとに保存されているのです。
 
ドックの設計者の名前から「テルフォード歩道橋」と付けられていますが、この可動橋も彼が設計したのかは分かりません(写真がぶれて説明文が読み取れない)。
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【505】

構造

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可動橋といっても、橋桁はフレームを組んで車輪を付けただけという意外と単純な造りです。側面のラックレール(ノコギリ状のレール)に噛み合った歯車をハンドルで回転させて動かす仕組みなのでしょう。

産業遺産保存の先進性

前述のクレーンもさることながら、200年近く昔の小さな橋梁までも保存・展示している事実に触れた筆者は、タワー ブリッジを稼働させていること以上に、イギリスの産業遺産に関する先進性を実感しました。


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