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赤坂門市場 ( 1/2 )
Akasakamon Market
福岡県福岡市、1948(昭和23)年、現存せず
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《 重要なお知らせ 》
赤坂門市場は2017年3月に解体されました。この記事は解体前の情報です。

福岡市に現存する古い木造市場

市場(商店街)のアーケードといえば普通は鉄骨で造られていますが、戦前から戦後初期にかけては木造アーケードが少なくありませんでした。ただ、さすがに戦後数十年が経過するとそのような古い市場は衰退し、多くが取り壊されています。とはいえ、大都市や地方の中心的な都市なら数カ所くらいは意外と残っているもので、福岡県内では北九州市に多数の木造市場が現存、福岡市にも筆者の調査では4ヶ所の木造市場が現存しています(詳しくは「北九州市の木造市場」を参照)。

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建物と周囲の状況

赤坂門市場は福岡市中央区の大正通り沿いにある市場で、戦後間もない1948(昭和23)年に建てられました リ1 。木造2階建て(一部平屋)の長屋が2列に建っていて、幅1m程度の狭い通路の両側に店舗が並び、その上に木造アーケードが架かるという構成。建物は一見しただけで分かるほど老朽化が著しく、裏側に回ると応急処置の跡が目立ちます。どういう事情があるのかは分かりませんが、マンションやオフィスビルに囲まれたここだけがエアポケットのように残っているのです。

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内部

内部は隣棟間隔の狭さから密度が高い。2棟の長屋は独立しているので、アーケードがなければ路地や小路に相当する空間です。店舗はシャッターを下ろしているところが多いものの、道路に面した両端の青果店をはじめ、美容室や福岡の有名なお好み焼き屋「ふきや」など数軒が営業を続けています。老朽化や閉鎖店舗が目に付くとはいえ、半透明の波板の透過光に満たされた内部空間は落ち着いた雰囲気を感じます。『三丁目の夕陽』的な昭和の建築が市街地にあること自体、奇跡的。2016(平成28)年の秋に解体されることが決定しているので、興味がある人は今のうちに見ておいた方がいいでしょう。

建物名

赤坂門市場

Akasakamon Market

設計者

不詳

所在地

福岡県福岡市中央区赤坂1-9

用途

市場、店舗

竣工

1948(昭和23)年

構造

木造

交通

鉄道:地下鉄赤坂駅下車 徒歩5分程度

備考

2017(平成29)年3月に解体、現存せず。

リンク

  1. 福岡・赤坂門市場、取り壊しへ 68年の歴史に今秋幕 西日本新聞経済電子版
  2. Y氏は暇人 > ショック!赤坂門市場が2016年8月で取り壊しになるそうなのでロシアうどんを食べに行ってみた
  3. 「建築マップ」で紹介している他の木造市場
  4. 筆者の個人サイト「ALL-A」でも福岡県を中心に多数の木造市場を紹介しています。詳しくはこちら

公開日:2011年1月24日、最終更新日:2017年9月26日 解体の情報を追記、撮影時期:2010年8月、2011年7月、2012年12月
カメラ:Nikon D50、Canon PowerShot S90(Photoshopで修正)

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